日本財団 図書館


3. ネットワーク構成Zペラ・卜ータル制御システム
 従来の「制御・監視システム」では制御系と監視系とは独立しており、センサーや配線の重複など複雑なシステム構成が一般的でした。
 本システムは、制御系(主機、クラッチ、Zペラ及びシーケンス動作の各種制御)と監視系をネットワーク(※1)で結ぶことで、センサーや配線をシンプルにした高性能な制御監視システムです。
 「分散制御・集中監視」方式の採用により、右舷と左舷及び制御系と監視系を構成する各基板は個別に動作し、万が一ある基板に異常が発生しても他の基板への影響は極力少なくなる構造となっております。
 画面にはタッチ式液晶ディスプレイを採用し、画面操作はガイダンス式に表示されますので誰にでも簡単に操作出来ます。
 圧力・温度等の表示画面は、視覚的に解り易いアナログメータをイメージしてグラフィカルに表示しております。
 またネットワークを採用しておりますので、システムの拡張性にも優れております。
(※1)ネットワーク:工業用ローカルエリアネットワーク
 
(1)構成
 システム全体はネットワークによりデータを共有化し、センサー等を必要最小限に抑えています。
 また、各基板ごと個別に制御させトラブルの軽減を図っています。
(1)W/H表示制御基板
 ブリッジ操縦盤付の各スイッチ入力、表示灯出力及びブザー出力を制御します。
(2)ZP旋回制御基板
 本基板には、自動旋回速度コントロール機能、近回り旋回機能、オートパイロット・インターフェース機能等があります。
 尚、Zペラ旋回制御基板には、サーボ弁タイプ、比例弁タイプがあり、旋回油圧ユニットの仕様により選択となります。
(3)主機&クラッチ制御基板
 主機関及びクラッチ(オメガ式、電子コントロール式等のスリッピングクラッチを含む)の制御を行います。
(4)シーケンス制御基板
 主機関の発停、警報制御、表示制御、予備ポンプ類の自動起動等のシーケンス動作を制御します。
 
(拡大画面:262KB)
 
(5)モニタリングセンサ入力基板
 圧力発信器、熱電対等のセンサ信号を入力します。
 入力されたセンサ信号はデジタル処理され、モニタリング制御基板にネットワーク経由でデータ伝送します。
(6)モニタリング制御基板
各基板とネットワーク経由で通信し、Zペラ角度、主機回転数、温度、圧力等をリアルタイムにモニターします。
 
左・防音室監視盤 右・監視盤内
 
(7)液晶表示器(タッチパネル式カラー液晶表示器)
 エンジン及びZペラの状態、警報の表示及び設定値の入力等を行います。
(8)プリンタ
 エンジン及びZペラの状態、警報発生項目、各種設定値等を印刷します
 印刷モードとしてマニュアル印字、定時印字、アラーム印字等があります。
 
東京汽船(株)殿「長門丸」
 
(9)CPP制御基板(CPP船の場合、必要です。)
 可変ピッチ・プロペラの翼角を制御します。
 制御モードとして通常モード、消防モードがあります。
 
(2)おわりに
 本システムの1号機は、今年(平成12年)7月に竣工しました東京汽船(株)殿の曳船「長門丸」(建造:金川造船(株)殿)に搭載され、ご好評を頂いております。
 
 最後に船主殿、造船所殿のご指導、ご鞭撻に深く感謝申し上げますと共に、「長門丸」のご活躍をお祈り申し上げます。
 
(拡大画面:215KB)







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION