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 c)政令市における人口フレーム
 大阪・京都・神戸の3政令市の常住人口については、府県におけるフレームをトータルコントロールとして、政令市ならびに府県下の人口比で案分することとする。
 これまでの国勢調査において、府県人口に占める政令市人口比率の推移は以下の通りである。
 
  1975 1980 1985 1990 1995 2000
大阪府 大阪市 2,778,987 2,648,180 2,636,249 2,623,801 2,602,421 2,598,774
大阪府下 5,499,938 5,825,266 6,031,846 6,110,715 6,194,847 6,206,307
8,278,925 8,473,446 8,668,095 8,734,516 8,797,268 8,805,081
市/計(%) 33.6 31.3 30.4 30.0 29.6 29.5
京都府 京都市 1,461,059 1,473,065 1,479,218 1,461,103 1,463,822 1,467,785
京都府下 963,797 1,054,265 1,107,356 1,141,357 1,165,770 1,176,606
2,424,856 2,527,330 2,586,574 2,602,460 2,629,592 2,644,391
市/計(%) 60.3 58.3 57.2 56.1 55.7 55.5
兵庫県 神戸市 1,360,605 1,367,390 1,410,834 1,477,410 1,423,792 1,493,398
兵庫県下 3,631,535 3,777,502 3,867,216 3,927,630 3,978,085 4,057,176
4,992,140 5,144,892 5,278,050 5,405,040 5,401,877 5,550,574
市/計(%) 27.3 26.6 26.7 27.3 26.4 26.9
 
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図 6−3−6   政令市における常住人口の府県人口計に占める比率の推移
 
■ 大阪市ならびに京都市においては単調減少、ただし大阪市は直近10年ではほぼ横ばい。神戸市は過去30年にわたってほぼ横ばいとなっている。いずれの市も対前回の差は0に収束する方向にある。
■ これまでは人口の郊外化の傾向が顕著であったが、近年は都心回帰の傾向もみられ、政令市人口比率も、今後は均衡状態に入ることが考えられる。
 以上より、本調査における政令市の常住人口は、「府県人口をトータルコントロールとして、(直近の2000年国勢調査における)政令市人口の対府県比率を用いて定める。したがって、政令市の常住人口は表 6−3−1の通りとなる。
 
表 6−3−1 政令市における将来常住人口
  2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030
大阪府 大阪市 2,598,774 2,585,173 2,555,547 2,513,186 2,457,733 2,390,856 2,314,142
大阪府下 6,206,307 6,173,824 6,103,075 6,001,909 5,869,479 5,709,765 5,526,558
8,805,081 8,758,997 8,658,622 8,515,095 8,327,212 8,100,621 7,840,700
市/計(%) 29.5 29.5 29.5 29.5 29.5 29.5 29.5
京都府 京都市 1,467,785 1,471,251 1,465,338 1,450,313 1,424,730 1,389,153 1,346,388
京都府下 1,176,606 1,179,384 1,174,645 1,162,600 1,142,093 1,113,573 1,079,291
2,644,391 2,650,635 2,639,983 2,612,913 2,566,823 2,502,726 2,425,679
市/計(%) 55.5 55.5 55.5 55.5 55.5 55.5 55.5
兵庫県 神戸市 1,493,398 1,514,470 1,521,071 1,510,042 1,489,792 1,457,839 1,418,190
兵庫県下 4,057,176 4,114,425 4,132,357 4,102,393 4,047,379 3,960,573 3,852,854
5,550,574 5,628,895 5,653,428 5,612,435 5,537,171 5,418,412 5,271,044
市/計(%) 26.9 26.9 26.9 26.9 26.9 26.9 26.9
 
 なお、5歳階級別・男女別人口についても上記に準じ、府県計に対する政令市人口比が今後一定であると仮定して予測する。
(3)就業・従業人口の予測について
a)就業率の動向
 2000年国勢調査における就業人口を整理すると、以下のようになり、近畿全体の就業人口は約9,828千人、就業率は全体で約47.2%である。ただし、その年齢構成ならびに性構成については、グラフに示すとおり差があり、特に女性は結婚出産の影響で30歳以降就業率が減少している。
 
表 6−3−2 2000年国調における近畿2府4県の就業人口・従業人口
H12年国調
年 齢
(5歳階級)
総数    男    女   
夜間
人口
就業
人口
従業
人口
就業率 夜間
人口
就業
人口
従業
人口
就業率 夜間
人口
就業
人口
従業
人口
就業率
総数 20,818,502 9,827,853 9,833,820 47.2 10,094,893 5,909,922 5,913,806 58.5 10,723,609 3,917,931 3,920,014 36.5
15歳
未満
3,033,988       1,553,542       1,480,446      
15〜19歳 1,230,218 169,447 169,373 13.8 624,657 88,371 88,279 14.1 605,561 81,076 81,094 13.4
20〜24 1,461,761 879,632 879,373 60.2 731,399 431,639 431,160 59.0 730,362 447,993 448,213 61.3
25〜29 1,692,860 1,226,118 1,225,553 72.4 839,755 708,966 708,137 84.4 853,105 517,152 517,416 60.6
30〜34 1,492,272 1,016,828 1,016,467 68.1 737,777 655,922 655,398 88.9 754,495 360,906 361,069 47.8
35〜39 1,328,753 943,244 943,606 71.0 656,402 597,402 597,523 91.0 672,351 345,842 346,083 51.4
40〜44 1,204,115 910,716 911,793 75.6 595,150 546,758 547,593 91.9 608,965 363,958 364,200 59.8
45〜49 1,387,614 1,055,460 1,057,610 76.1 682,600 621,455 623,278 91.0 705,014 434,005 434,332 61.6
50〜54 1,758,616 1,301,611 1,304,075 74.0 863,415 779,506 781,625 90.3 895,201 522,105 522,450 58.3
55〜59 1,531,252 1,044,947 1,046,044 68.2 749,669 652,927 653,898 87.1 781,583 392,020 392,146 50.2
60〜64 1,301,310 605,719 605,928 46.5 636,838 387,915 388,046 60.9 664,472 217,804 217,882 32.8
65〜69 1,144,212 358,188 358,173 31.3 545,533 237,401 237,339 43.5 598,679 120,787 120,834 20.2
70〜74 904,381 187,946 187,863 20.8 412,202 122,620 122,528 29.7 492,179 65,326 65,335 13.3
75〜79 617,989 83,456 83,432 13.5 239,460 51,903 51,881 21.7 378,529 31,553 31,551 8.3
80〜84 389,245 31,061 31,055 8.0 130,598 18,942 18,932 14.5 258,647 12,119 12,123 4.7
85歳以上 339,916 13,480 13,475 4.0 95,896 8,195 8,189 8.5 244,020 5,285 5,286 2.2
※年齢不詳は除く。
 
図 6−3−7   年齢階層別・性別就業率(%)
 
 就業人口の経年変化を見ると、20〜29歳と60歳以上で変動が見られる。20〜29歳の変動は主として進学率の変化と近年においては就職難が影響しているものと見られる。一方、60歳以上の高齢層の就業率は年々低下している。
 
図 6−3−8   近畿2府4県における就業率の経年変化(男女計)
 
 また、男女別では女性の就業率が年々上昇しているが、1995→2000年の就業率は微減となっている。男性の1995→2000年の就業率は3%程度減少している。
 
図 6−3−9   近畿2府4県における性別就業率の経年変化
 
b)将来の就業人口の設定
 将来の就業人口の予測は、過去の就業率をもとに、将来の就業率について仮定を設けて予測するのが一般的である。その仮定には、以下のようなものが挙げられる。
(1)直近の国勢調査における就業率が将来も一定と仮定
(2)過去10年間における国勢調査の就業率の平均値で推移すると仮定
(3)府県別の就業率がトレンドで推移するものと仮定して回帰式により推定
 また、就業率の定義について、これまでは就業率の定義は、「総人口ベースの就業率が直近の値のまま今後一定推移」とすると仮定し、全年齢計の就業人口を求めていた。
 それに対し、今回における就業率の設定については、以下のように取り扱うものとする。
・ 就業率は、「5歳階級別・男女別」に求めるものとする。(生成交通量の予測において5歳階級別・男女別の就業人口が必要となるため。)
・ 過去10年間の就業率(5歳階級別・男女別)の平均が府県別に将来も一定であることと仮定する。(平成12年国調での就業者数は、過去20年間で初めて減少に転じている。
 この理由の1つとして低迷する経済情勢の影響が考えられる。だが、就業率は経済情勢と密接な関係にあり、この直近の就業率が将来15〜20年間続くことは考えにくい。したがって、経済状況による影響を少なくするため、経済状況の良好であった平成2年からの10年間平均を用いることとした。)
・ 政策課題として、今後の高齢者や女性の社会進出がどう見込まれるか、を考慮する必要があるが、高齢者の就業率については現時点で増加傾向が見られず、将来動向の推移が困難なこと、一方女性の就業人口は年々増加しているものの、直近では就業率が微減となるなどで、これも将来予測がむずかしい状況にある。したがって、将来の就業人口増加への対応は感度分析によるところとしたい。
 
図 6−3−10   将来常住人口・就業人口の推移(近畿計)







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