日本財団 図書館


4−6−3 試験結果
 前述のとおり、廃食用油は軽油と比較して高沸点成分が多いために中低負荷でのPMの増加が懸念される。特に、D13モードは中低負荷を重視した評価法であり、その値が注目される。また、各モード点におけるEGR率などの運転条件の設定にあたっては、PMとNOxのトレードオフの関係、およびウエイトファクタの関係をよく考慮しながら行う必要がある。今回の運転条件の設定にあたっては、PMは後処理装置(DPF)の装着を前提に行った。国内の各社で公表されているDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)はPMを80%以上、スモ−クは90%以上低減可能なことがわかっているので、まずNOxを低減できる条件を洗い出してからPMの低減を図る手順で評価を行った。D13モードによる試験結果の一例を図4・64、図4・65に示す。横軸は回転速度毎、および負荷の順に整理したモード番号である。アイドルの#1、#4、および#13の極低負荷におけるNOxの改善が更に必要と考えるが、その他のモードにおけるNOxは低く押さえられている。図4・66にEGR率マップを示す。ここでは極低負荷におけるEGRは行っていない。この条件でのD 13モード平均排出量はNOx 3.2g/kWh、PM0.82g/kWhとなり、PMはDPF装置を装着することで0.16g/kWhの値が見込め、目標値を達成できる。
 
z0001_131.jpg
図4・64 D13モードの性能
 
z0001_132.jpg
図4・65 D13モードの性能
 
z0001_133.jpg
図4・66 D13モードのEGR率マップ
 








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION