4. 開発の現状
実証用のバージおよびそのプラントの建造は、インド西側の町、Goaで進められた。2000年10月にバージの進水式を終え、同年11月29日に命名式を行った。船名の「SAGAR SHAKTHI」(サガ シャクティ)は、サンスクリット語で「海(サガ)から授かる力」の意味である。
深層水取水管は、先に設置し、その後バージと接続して実験を開始する予定で2000年1月より開始され、3月8日に無事設置された。その後、いよいよ実験を開始すべく準備を進めていたが、4月24日NIOTより連絡があり原因不明でブイと取水管が流失した。その詳細を調査中であるが、NIOTでは、すでに新しく取水管を製造し、実験準備を進めている。この予定で行くと実験開始は、2002年春である。現在(2002年3月)、実証用のバージ上の配管はほぼ完了しているので、Goaから航行しインド南東部の実験サイト付近のポートで待機し、1年あまり屋外で管理されていたプラントの保守管理点検、圧力試験等を進めている。
図5〜9に、建造中の状況写真及び最新写真を示す。バージ自体の全長は70m、全幅16m、高さ約4mである。図5および図6は、バージ上の配管状況を示す。温海水および冷海水の配管は、最大0.9mである。図7に、運転制御室を示す。バージ上で得られたデーターは、同時にインド東部のChennaiにあるインド国立海洋技術研究所でも同時に監視可能である。図8に、本年設置前の冷海水取水管を示す。取水管の長さは、1000mである。取水管の材質は、HDPである。図9に最新のプラントの状況を示す。
図5 バージ上の配管の状況1
図6 バージ上の配管の状況2
図7 運転制御室
図8 冷海水取水管
図9 1,000kW実証プラントの最新の状況