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4. 我が国の洋上における風エネルギー賦存量と利用可能性
 わが国は3万kmを超える世界有数の海岸線の長さを有する海洋国といえるが、最近の試算によれば、最も厳しい条件のケースでも陸上の10倍以上の風力利用の可能性があることが明らかになった。今後は、より具体的なシステム設計と実証試験が待たれる。
 オフショアの風力発電可能量を求めるため、わが国の外洋に面した海岸線から東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、諸島部を除外し、さらに港湾や航路を除くために海岸線の距離の80 %を仮定し、沖合方向の1km、3km、5km以内が風車設置可能領域として利用可能面積を算定した。設置可能面積は、海岸線5km幅の範囲で32,700km2,3km幅で19,600km2,1km幅で6,500km2となる。これはNEDOの風況マップのシナリオ1の23,280km2、シナリオ2の3,599km2、シナリオ3の759km2に比較してかなり大きくなる。風車1基当たりの占有面積を10D×10D(D=40m)および10D×3D として、設置可能台数を求めると、5km幅に10D×10D の配置では204,800台となるが、海上風の風向安定性から10D×3Dとすると、3km幅で409,700台、1km幅で136,500台となる。またこれに対応する年間発電量は、それぞれ1.405×1011 kWh 、2.809×1011 kWh 、そして9.363×1010 kWh が期待できる。これらは1993年の電力10社の年間総販売電力量6.906×1011kWhの13.5〜40.6%に相当する。
 NEDOの風況マップにおけるシナリオ3の10D×3D では、設置可能台数13,743台、発電可能量6.537×109kWh となっており、オフショア1km幅の場合でも設置台数で約10倍、年間発電量では約14倍にも達するとの試算もある。また、わが国の海岸線(3km幅活用で19,668km2 、かつ高さ60m)で2,000kW風車を設置するとした場合、試算では約12万6千台(10D×3D 、直径72m)の設置が可能で、その発電量は403 TWh/年である。非常に大きな潜在性を有する。
 超大型オフショア専用風車を採用すれば発電可能量はさらに大きくなる。このように、わが国におけるオフショア風力発電の潜在的可能性は極めて大きい。








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