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4. 今後の解撤需要と解撤能力
 解撤需要は運賃市況、世界的な景気動向、新造船の竣工量などの影響を受ける。海事産業研究所の調査によれば、2002年のコンテナ船の竣工量は過去最大規模の70万TEUに達する見込みで、2001年に比べて14%増である。タンカーについても、2002年のVLCCの竣工量は42隻であり、2001年の実績である30隻の40%増しになる見通しである(13)
 VLCCの解撤量に関して、同じく海事産業研究所の調査で、2000年に26隻であったものが、2001年には32隻に増加し、市況の低迷から2002年にはさらに解撤が増える可能性があると考えられる。その他の船種では、コンテナ船も解撤が進むと予想される。
 ボルチック国際海運協議会(BIMCO)の調査では、現在の解撤能力は年間2,500万重量トンであるのに対し、今後しばらくの解撤需要は年間4,000万重量トンと推測されており、かなりの能力不足になると推測している(14)。これにはシングル・ハル・タンカーの前倒し削減が2003年から実施されるために今後5〜10年間に大量の解撤が必要になることも含んでいると思われる。
 ノルウェー船級協会(DNV)の調査によれば2001〜2015年の間に解撤される船腹は4億3400万重量トンに達する見込みで、単純に平均すれば年間2900万重量トンになる(3)
 シップ・リサイクル連絡協議会の中国調査団の報告によれば、中国の解撤実績は年々増加しており、2000年には140万LDT(137隻)であった。フル稼働すれば150〜200万LDTの解撤能力を持つと推測され、これは600〜800万重量トンに相当する。現在の中国のシェアは6%程度であるが、フル稼働すれば30%のシェアを占めることになり、その時は残りをインド亜大陸の国が担うと予想している(3)








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