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2. SOxについて
 SOxに関しては、燃料油中の硫黄分が燃焼過程で酸化することによって生じ、燃料油中の硫黄含有量及び燃料消費量によって排出量が決まる。世界で流通している舶用燃料油(Heavy Fuel oile)の硫黄分は約2.5〜3.5Wt%と言われており、これらが燃焼により排ガス中のSOxとなって大気中に放出される。排ガス中のSOxを低減させるためには、船舶に排ガス処理設備を設置してSOxを除去する方法と燃料油中の硫黄濃度を下げる方法があるが、前者は設置スペース等の問題から採用されず、現状では後者の方法が有効である。
 例えば、大気汚染物質の抑制策の一つとして、川崎市では、公害防止等生活環境の保全に関する条例に基づく船舶からの大気汚染物質の排出抑制に関する指針(川崎市告示第601号)を定めている。それによると「川崎港港湾区域(昭和49年川崎市公告第10号)内で排出される大気汚染物質の抑制に向けて、A重油等の硫黄含有率の低い燃料の使用、荷役時間の短縮及び陸上電源の使用等の措置の実施について、船舶関係者と協同で取組むこと。」とされている。








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