6. 諸外国規制の現状
国際条約化を待たずに規制化が広がりつつあるのが現状である。手持ち資料に基づき各国の規制状況を以下に列記したが、現状の各国規制を網羅したものではない。
国 |
バラスト水関連要件 |
豪州 |
1990年、IMO総会決議A.774(18)に基づいたバラスト水交換自主規制 |
1998年、IMO総会決議A.868(20)と一致した管理方策導入 |
1999年5月1日、管理実施記録・報告を強制化 |
2001年7月1日、洋上バラスト水交換(95%)強制化、DSS導入 |
ニュージーランド |
1992年、バラスト水交換自主規制(報告強制) |
1998年4月30日、IMO総会決議A.868(20)に従ったバラスト水交換等の方策強制 |
米国 |
1993年、五大湖及びハドソン河入域船舶に、バラスト水交換強制(離岸200海里かつ水深2,000米以上の海域) |
1999年7月1日、管理実施記録・保持強制化、バラスト水交換は任意、離岸200海里以上かつ水深2,000米以上 |
2000年1月1日、カルフォルニア州、バラスト水交換強制(離岸200海里以上) |
2000年9月22日、ワシントン州、バラスト水交換強制(離岸50海里以上) |
2001年12月21日、EEZ外からの米国水域入域船に、バラスト水管理報告強制 |
カナダ |
1998年1月1日、バンクーバー等入港船に洋上バラスト水交換強制 |
2000年4月1日、五大湖入域船舶に米国と同様の規制適用 |
英国 |
1998年、スカパフロー港、受入施設へのバラスト水排出強制 |
数港において、IMO総会決議A.868(20)の適用要請 |
ウクライナ |
オデッサ入港船、黒海入域前に分離バラスト交換強制 |
イスラエル |
1994年8月15日、イスラエル諸港に寄航予定の船舶に、大陸棚又は清水流影響水域から離れた外洋バラスト水交換強制、Eilat寄港船は紅海の外側でのバラスト水交換、地中海側諸港寄港船は大西洋での交換強制 |
チリ |
1995年8月10日、外国から来航する船舶に、離岸12海里以上でのバラスト水交換強制 |
バラスト水交換の証拠が有効でない場合、港内でのバラスト水排水24時間前に、化学薬品のバラスト水への添加強制 |
エクアドル |
外部からの船舶に、バラスト水交換強制 |
コレラ発生地域からの船舶に対し、バラスト水交換又は薬剤による事前処理強制 |
ブラジル |
2000年4月28日、ブラジル港寄港船に、バラスト水漲水場所・日時及び到着時バラスト水量報告要求 |
多くの港が、化学薬品によるバラスト水処理要求 |
アルゼンチン |
1990年代から、ヴェノスアイレス港、コレラ発生地域からの寄港船に、バラスト水の塩素消毒強制 |
(塩素は、バラストタンクの通気管を通じてバラスト水に添加) |
パナマ |
パナマ運河内でのバラスト水排出禁止 |
中国 |
1996年、検疫伝染病区域(主にO-157)からの船舶に薬剤殺菌強制 |