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4.10 機械的殺滅法のメカニズムと実用化に向けての要素技術
 機械的殺滅法による水生生物殺滅効果のメカニズムは、噴流ノズル部では剪断力だけが作用していることが明らかになった。その効果は、流速が速いほど高く、下流側に衝突板等を設置すると向上することも明らかになった。なお、衝突板等による効果は、キャビテーションが集中崩壊するエネルギーによるものと考えられる。また、噴流ノズル部の上流側の管内流速を速めること、および噴流ノズルの配置を工夫することも、効果および実用性を向上させる要素候補技術であると評価された。今後は、これら各要素等の適切な組み合わせを実験・検討することが機械的殺滅法の有効性をさらに高めると考えられる。
 本実験で用いたスリット状の隙間を均一に配置した噴流ノズル試験板は、現時点での効果でも、平成11年度に実験したミキサーパイプよりも効果(損傷率:約60%→約90%)および実用性(圧損:約50mAq→約30mAq)面で優れており、実船への適用性は高い。これに、上記、改良を加えれば、十分に実用化が可能であると評価される。








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