4.9.4 面取り効果実験
隙間に水を通した場合に、隙間を作る試験片の角を面取りすると圧損が低下することが一般的に知られている。そこで、図4.9.4-1に示すように試験片の上流部の角を丸め、この圧損低下状況と浮遊性甲殻類の損傷率を調べた。もし、圧損の低下が大きく、かつ効果が低下しない(あるいは低下率が小さい)場合には、実用性の面で有効な方法となりうる。
(1)実験方法
図II.4.9.4-1には、試験片の面取り模式を示した。
実験は、面取り無しの場合でスリット部流速25.6m/sec、面取り有りの場合で25.2m/secで行った。
他の実験施設および方法は、流速実験等と同じである。
図II.4.9.4-1 試験片の面取り模式
(2)実験結果
図II.4.9.4-2には、面取り実験におけるスリット部流速と圧損の関係を示した。
面取りしても圧損は、大きく変化しなかった。したがって、実用性向上要素としては、期待できないと判断された。
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図II.4.9.4-2 面取り実験におけるスリット部流速と圧損との関係
図II.4.9.4-3には、面取り実験における浮遊性甲殻類の損傷率を示した。実用性を向上させない面取りは、浮遊性甲殻類に対する損傷率も低下させており、効果向上要素としても適切ではなかった。
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図II.4.9.4-3 面取り実験における浮遊性甲殻類の損傷率