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5.機械的殺滅法の特徴と船舶への適応性
 機械的殺滅法の船舶への適応性は、以上の各種調査実験から次のようにまとめられる。
 機械的殺滅法の最大の特徴は、他の処理技術のように複雑な構造をしておらず、処理の原理と装置構造が極めて単純なことにある。この特徴で、処理量は最大クラスの数千トン/hrが可能となり、通常のバラストパイプシステムに組み込むことも容易に行える。その結果、多くの船舶への適用が可能となる。
 船舶適用上の問題としては、本処理法の場合に、現在のところ約3kg/cm2の圧力損失が発生することが挙げられる。既存船においては、バラストポンプにこの圧損に対応するだけの余力が無い場合が多い。このようなケースにおいては、ポンプを増設する必要性が生じる。また、ポンプ設置場所の確保や発電機の能力をアップさせる必要も出てくる。しかし、このような問題点に関しても、他国で開発中のろ過法や紫外線法、および複合技術等が実船で実施する場合に必要となるポンプ等の諸装置に比べれば、かなり小さな付帯設備であると考えられる。








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