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No.2 こみせ駅
 昭和58年度調査では屋根型を見せないようにファーサードを看板や金属板で覆った総二階建ての「マルゲン」呉服店であった。その後、譲り受けて平成9年から改造を始め、同13年7月に、地場産品やおみやげ物を扱う「こみせ駅」としてオープンした。改造の際、町並の景観に合わせて、屋根は切妻造に、外壁も漆喰仕上げの真壁造風にまとめた。また、「こみせ」も伝統的な形式で設けたほか、二階の窓にも格子を採用した。しかし、前の構造である総二階建てに切妻屋根を設置したため屋根の高さが一段と高くなったのが気になる。なお、奥には土蔵が1棟残っており、現在は商品の貯蔵蔵として使用している(図3-26)。
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図3-26 こみせ駅 図面
No.3 一番町歯科
 昭和50年に建築された鉄骨二階建ての歯科医院付住宅である。表側外壁はカーテンウォールとモルタル仕上げで、「こみせ」の設置はない。奥には土蔵が1棟残っている。なお、表道路に面する屋敷の南側には車庫がある(図3-27)。
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図3-27 一番町歯科 図面
No.4 私設資料館
 昭和58年度調査では、「赤坂屋」と呼ばれた金網加工業の宇野家住宅であった。明治37年(1904)頃建設されたこの住宅は切妻造、平入で、北側に通り土間が設置されていた。店舗の裏にはほぼ1列に居室が奥の土蔵まで続いていた。また、伝統的な「こみせ」も残っていた。しかし、平成11年に明治40年(1907)に建設された奥の土蔵を残してすべて解体された。現在、この土蔵は「黒石ゆかりの作曲家」私設資料館として利用されている(図3-28)。
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図3-28 私設資料館 図面








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