図3-11 構成建物の構造と外壁
この地方の伝統的な外壁仕上げは、住居の主屋・店舗において、土塗真壁、漆喰塗り、板張り(腰板張りも含む)と判断され、現在これを比較的維持しているのは、棟数で11棟(28%)である。これをより実態に近い外壁延長で見ると、577m(29%)となり、昭和58年度調査では1378m(45%)であったから、大幅な減少が確認される。付属屋では土壁、漆喰塗り、板張りがやはり伝統的外壁仕上げなので、この仕上げを採用しているものは31棟(67%)、外壁延長では923m(64%)となる。住居の主屋・店舗と付属屋の合計では、棟数で42棟(50%)、外壁延長で1500m(44%)が伝統的外壁仕上げと算出でき、昭和58年度調査とほぼ同様な結果となった。一方、表構えでは伝統的外壁仕上げのものは12棟(30%)、外壁延長では568m(30%)となり、前回調査より10%以上減少している。これは表構えが金属板張りやモルタル仕上げなどによって改造・改築がより進んでいることを示している(図3-11,12,13)。
図3-12 外壁の表面仕上(地区全体・棟数)平成13年度調査
図3-13 外壁の表面仕上(地区全体・延長)平成13年度調査