[2]屋根葺材
この地域での屋根葺材は、本来、青森ヒバを用いた柾葺であったが、現在では鉄板葺または柾葺を鉄板覆いしたものがほとんどである。鉄板葺は棟数・面積でみても9割を越え、昭和58年度調査と同様な結果を得た。しかし、鉄板の色彩を見ると、昭和58年度調査では青系が主流で、次いでブラウン系、緑系などが混在していた状況であったが、現在では青系から赤系に主流が移り、次いで黒系、青系などが続いている。なお、鉄板葺には瓦棒葺や横葺、平葺が採用されていた(図3-4,8)。
図3-8 屋根葺材(地区全体・面積)平成13年度調査
[3]構造と外壁
藩政期以来、住居の主屋・店舗は木造真壁構造で維持されてきたが、現在でも35棟(90%)、面積でも6319m2(85%)が木造真壁構造であり、木造以外の鉄筋コンクリート構造などは4棟(10%)にとどまっている。付属屋では、木造真壁構造14棟(30%)、土蔵造構造32棟(68%)、木造以外1棟(2%)となり、土蔵造の付属屋が7割弱を占めている。昭和58年度調査と比較すると、住居の主屋・店舗の構造はほぼ同様な結果を示すが、付属屋の構造では土蔵造は8棟減っているものの、付属屋の総数も減少したので、5割から約7割に上がっている。一方、表構えの構造種別では、土蔵造は5棟(6%)と1割にも満たない。これは土蔵造の多くは屋敷奥に配置されている各種の蔵であることを示している(3-9,10, 11)。
図3-9 建築構造(地区全体・棟数)平成13年度調査
図3-10 建築構造(地区全体・面積)平成13年度調査