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(3)構成建物の外観
[1]屋根型
 調査地区全体の屋根型は、昭和58年度調査では切妻造が主流であった。平成13年度の今回の調査でも切妻造が主流であることは変わらないが、住居の主屋・店舗での切妻造以外の屋根型の混在が目立ってきた。すなわち、住居の主屋・店舗39棟のうち切妻造は24棟(62%)、入母屋造、寄棟造、陸屋根など切妻造以外のものが15棟(38%)という結果になった。これを屋根型の面積で昭和58年度調査と比較すると、今回調査の住居の主屋・店舗の切妻造は5053m2(68%)に対し、昭和58年度調査では9991m2(87%)となり、大幅な減少が確認され、藩政期以来維持継承してきた切妻造の伝統的屋根型が崩れかかっていることがうかがわれた。また、店舗部分は平入(13棟)と妻入(11棟)が混在しているが、妻入の方に切妻造または入母屋造の伝統的ファサードをとどめる上質な商家遺構が見られた。物置、作業場、車庫などの付属屋の屋根型は全付属屋47棟のうち、切妻造以外のものは4棟(9%)となり、切妻造は9割強を占め、昭和58年度調査とほぼ同様な結果を得た。次に表通りから10m以内の表構えの屋根型を見ると、住居の主屋・店舗の切妻造は昭和58年度調査では8割を占めているのに対して、今回の調査では約6割、付属屋では9割から7割にそれぞれ減少していた(図3-4,5,6,7)。
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図3-4 構成建物の屋根型
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図3-5 屋根型(地区全体・棟数) 平成13年度調査
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図3-6 屋根型(地区全体・面積) 平成13年度調査
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図3-7 屋根型(地区全体・面積) 昭和58年度調査








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