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支援職員
1.人 数
 大会には多数の運営要員が必要になり、ボランティアだけでは対処できないことから、秋田県、開催地市町村及び理事企業に支援職員の派遣を要請した。
 一般業務に関する運営要員を統括、中核(班長)及び一般に分け、統括には事務局職員を、中核及び一般に支援職員を充てた。
 秋田県からは、全部の競技会場のほか、MACやWGプラザをはじめとする大会本部機関、開・閉会式、さらには看護業務、運転業務など、大会全般にわたり実数で約1,000人の支援を受けた。
 開催地市町村からは、看護業務も含め、競技会場を中心に実数で約600人の支援を受けたが、特に秋田市からは開会式、雄和町からは閉会式についても支援をあおいだ。
 AOC理事企業からは、競技会場のほか、首都圏の交通拠点、また、ドーピング関係の運転業務などに関して実数で約60人の支援を受けた。
 全体としては、大会期間11日間で、実数で約1,700人の支援を受けた。
2.研 修
 支援職員のうち中核職員については、ボランティアを含めた一般運営要員の研修を行ってもらうため、特に競技会場に関しては2001年2月から配置し、事務局職員が研修を行った。その他の部署については同年6月から配置し、研修を行った。
 すべての部署の一般職員と看護、運転要員については、同年6月以降に配置し、限られた期間内で集中的に研修を行った。
3.課 題
 支援職員については、配置個所によっては業務日が1週間を超えるなど相当長くなったことから、本務を抱えている関係上、相当の負担をかけることとなった。このため、新たな職員の追加を依頼したり、また、ボランティアの過不足などから直前になって配置換えを依頼したりする例が相当あり、課題を残した。
 また、中核職員への研修が十分行われないまま、大会本番を迎えた配置個所もあった。
支援職員     実人数
区分 市町村
  中核 一般   中核 一般
一般業務要員 945 191 754 539 72 467
競技会場 390 77 313 388 61 327
本部機関 196 67 129 9 9 0
開会式等 359 47 312 142 2 140
看護要員 82 0 82 62 0 62
運転要員 36 0 36 0 0 0
1,063 191 872 601 72 529
支援職員     実人数
区分 民間企業
  中核 一般   中核 一般
一般業務要員 36 36 0 1,520 299 1,221
競技会場 17 17 0 795 155 640
本部機関 19 19 0 224 95 129
開会式等 0 0 0 501 49 452
看護要員 0 0 0 144 0 144
運転要員 21 0 21 57 0 57
57 36 21 1,721 299 1,422
県民の協力
 第6回ワールドゲームズを支えたのは、多くのボランティアのほかに地域住民の力があったことを忘れてはならない。
1.環境美化
 「クリーンアップを行うことで僕たちもワールドゲームズに参加したことになる。選手が驚くぐらい会場がきれいになるよう頑張ろう」との呼びかけで始まった、2001年6月11日の秋田北中と土崎中の生徒らによるオリエンテーリング競技会場(秋田市飯島砂防林)のクリーンアップ。秋田市内の中学校で構成している「ゆめ秋田21」中学生会議で企画した活動。当日は約430人が汗を流した。
 また、秋田市飯島穀丁交通安全会でも日を改めて同会場のクリーンアップを行ったほか、岩城町島式漁港公園では県スキューバダイビング連盟のダイバーらが海域、住民や岩城中学校の生徒が砂浜を清掃し、ビーチフラッグス種目やサーフレース種目に出場する選手の安全を確保。きれいな街づくりを支えたのは多くの県民の力であった。
 きれいな「花」も選手達を歓迎した。フライングディスクや綱引きの会場となった雄和町では、老人クラブや町内会の方々がワールドゲームズのロゴ入りプランターでマリーゴールドを栽培、競技会場を飾った。県内の農業科の高校生が育てた花も秋田市の県立スケート場など各競技会場に搬入され、訪れた選手や観客の気持ちを和ませた。
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2.PR活動
 首都圏在住の秋田県出身者ら有志が、ふるさとで開かれる世界的スポーツイベントを応援しようと発足した「秋田ワールドゲームズ2001首都圏支援実行委員会」では、大会100日前の5月8日、日本橋から八重洲、銀座、日比谷にかけての外堀通り約3キロを、ワールドゲームズの横断幕を手にパレード、沿道の人々に大会をPRした。
 県内でもJR秋田駅前を中心として行われた県民パレードに、大会ボランティアをはじめとする多くの県民が参加し、気運を一層盛り上げた。
パエス選手救済のための募金活動
 大会期間中に急性心筋梗塞で倒れたイスマエル・パエス選手に関して、AOCは以下のとおり対応し、治療費及び渡航費工面のための募金活動等をボランティアとともに展開した。
1.経 緯
(1) 発症当日 (8月23日)
 ビリヤード会場にて、男子プール1回戦第7試合に出場を予定していたメキシコのイスマエル・パエス選手が、練習会場2階控え室で準備中に気分が悪くなり倒れ、間もなく左胸を押さえ転げ回って苦しみだした。
 AOCは救急車の出動を要請し、秋田組合総合病院へ搬送した。

(2) 秋田組合病院からの説明
 心不全の可能性があるため3本一気にPTCA (バルーン)治療をおこなった。
 今後は、患者の不安を除去することと、再閉塞の可能性があるのでこれを予防する後治療及び合併症を防ぐ治療が必要で、長期になることが予想される。
 初日だけで治療費が200万円かかっている。治療費についてはIFと相談する、との説明があった。
2.AOCと世界ビリヤードスポーツ連合
(WCBS) の協議経過
8月24日
 治療費が450万円程度掛かりそうであること、治療費等はIF負担がWGの参加ルールであることをAOCが説明したが、パエス選手が保険加入していないことが確認されたため、治療費負担の考え方を明確にするようWCBSへ要請した。
8月25日
 WCBSで5,000ドル、メキシコ協会で5,000ドルは出せることを確認した。
 WCBSよりAOCへ、残額はAOC及びAOCからIOC、IWGA、メキシコ大使館へ支援要請してくれるよう依頼される。しかし、AOCはWCBS自身で解決すべきであることであり、募金を募るなどIF自身ができる手段があることを逆に提案した。
 同日及び翌日に、秋田に集まっているWCBS役員で緊急会議を開き、日本で募金を募る (目標額450万円) ことを決定した。
8月27日
 募金要請の記者会見を開催。
 (出席者 ジャネットリー選手、西尾日本連盟専務理事、県連)
9月1日
 県連及びWGボランティアが中心となり、秋田駅前で街頭募金を実施。当日及び翌日で約80万円の募金がなされた
9月2日
 県連主催のパエス選手救済のためのバザーをワールドゲームズプラザ跡地で開催。
 AOCよりバザー品としてワールドゲームズ関係物品を拠出。運営はボランティアが中心となって実施した。売上約35万円。
3.療養経過
8月24〜26日ICUにて治療
8月27〜9月10日
 一般病棟にて治療、27日から歩行訓練等のリハビリ開始
9月10日
 退院お礼記者会見
 募金が500万円余り集まったこと、これによりパエス選手の帰りの航空クラスをビジネスクラスに変更したことを報告。
9月11日 退院
パエス選手からの礼状
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募金してくださった皆様、WG関係者、色々なアソシエーションとボランティアの皆様にお礼を申し上げます。特に日本ビリヤード協会、秋田ビリヤード協会、秋田日産自動車の皆様に心からお礼申し上げます。
皆様、どうもありがとうございます。  イスマエル・モロー・パエス
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