通信システム
1.計画
(1) 通信設備整備
1) 通信ネットワークの基本
通信ネットワークは、秋田県が敷設管理情報ハイウェイ利用を基本とした。
各競技会場にはISDN回線を臨時に敷設し、ダイヤルアップ・ルーターを介して大会本部と結ぶこととした。
2) 補完的な通信設備
補完的な通信設備は、電話系設備と無線系設備とした。
(2) 準備
通信設備整備のため、次のような調査等を実施した。
1) 情報ハイウェイ利用可能性調査
2) 需要数調査
3) 競技会場の現況調査
4) 無線機器の電波伝搬状況調査
5) 通信設備・機器の確保
6) 動作試験
(3) 大会時の通信設備の運用
本部・競技会場間は、情報ハイウェイおよび既存通信回線を利用した。
(4) メーンプレスセンター(MPC)
1) 国際公衆電話
2) 個別電話
3) ファクシミリ
4) インターネット利用可能回線
5) 提供期間
[1]…プレスセンター開設期間中
[2]…24時間利用可能
※2)〜4)は個別ブースのみ
(5) 保守体制
1) 情報ハイウェイ…県情報企画課に依頼
2) 公衆電話等…NTT等通信事業者に依頼
3) 無線系機器…業者に依頼
(6) 予定される通信機器等の概要等
●本部
1) 本部はAOC事務室とし、電話回線、電話機、コピー機、パソコン、LAN等現状設備を使用した。
2) 各種運営業務、ID関連作業、競技結果のデータを一元的に管理し、メーンサーバとバックアップサーバを設置した。
3) 各種データの送受信は情報ハイウェイ経由とした。
●競技会場(1会場あたりの機器等−合計18会場を想定)
1) 最新の大会運営スケジュールと競技結果の送受信のため、パソコンを設置した。
2) ISDN及びTAを使用し、常時2回線を確保した。
3) 電話機は1台をFAX兼用機とした。
4) トランシーバーは会場内連絡用として使用した。
5) プレスに対し、回線や機器の提供等は行わない。
●SOSセンター・他言語センター
1) 語学ボランティアを複数常駐させた。
2) 最低1回線に空きがあるように、複数回線を用意することとした。
3) ID確認のためにパソコンを設置することとした。
●MPC
MPCの通信設備等は、個別ブース(希望により有償で準備する)と共用スペースの両方に対応することとした。
●MAC
1) 常時ID発行体制を維持するため、複数のパソコンを用意した。
2) カード印刷用カラープリンタを用意した。
3) 緊急連絡用携帯電話を複数用意した。
●インフォメーション・ブース(1カ所あたり)
1) 最新の大会運営スケジュールと競技結果の送受信のため、パソコンを設置した。
2) FAX兼用電話とした。
●輸送車両
輸送用車両1台につき、携帯電話最低1機を用意することとした。
(7) 通信ネットワークに関する留意点
1) 情報ハイウェイ
[1] 県情報企画課との使用協議済み(2001年3月13日付け)
[2] 通信回線の確保・ルーター設置等が必要
2) NTT
[1] 国際公衆電話の確保
[2] 保守協力体制の構築
2.実施内容
計画通り実施し、円滑な大会運営に資することができた。
通信ネットワークは、情報ハイウェイを幹線とし、ISDN回線によって幹線に接続した。
電話系ネットワークは、電話回線、ファクシミリ回線及びデータ通信回線を設定した。メーンプレスセンター(MPC)及び競技会場には、国際公衆電話機、カード公衆電話機を設置した。さらにMPCからの要望によりEメール利用環境を構築した。
また、無線系ネットワークは、携帯電話、トランシーバー及びMCAを活用した。なお、携帯電話の回線容量が少ない雄和会場には、NTTドコモの協力により臨時のアンテナを設置し、回線確保に努めた。さらに、MPC内にはPHSの仮設アンテナを設置し、通信の確保に努めた。
保守体制については、情報管理班を一元的な窓口として、故障・クレームにあたり、迅速な対応が可能となった。
また、通信について中心的な役割を担ったNTTは、準備期間から「特別保守体制」を組み、通信系の保守連絡体制を強くサポートしてくれた。
3.問題点等
1) 当初、MPCにはEメール環境の構築を想定していなかったが、急遽要望され、結果一般プロバイダーとのメールアドレス取得契約を結ぶこととなった。報道委員会等を通じて、当初から想定できた案件と思われるが、大会直前の突発的な要求は情報管理班に大きな負荷をかける結果となった。
2) 無線系のトランシーバー、MCAの利用方法について、事前周知が徹底しなかった。また、携帯電話も含め、計画上の必要台数を過少評価したため、使用上窮屈な面があった。
3) 通信システムについては、大きな混乱はなかったが、予算担当の判断を含めた計画段階での読みの甘さ(「何とかなる、大丈夫。」)が大いに反省させられる。
1. 情報ハイウェイの借用…●高速なデータの送受信が可能である。
2. ISDN…●競技会場から情報ハイウェイまでを64kbit/sでつなぎ、Webでデータの送受信を行う。
3. 公衆電話…●臨時公衆電話の設置(既設台数を増加)。
4. 携帯電話…●輸送車両からの連絡、および通信回線のバックアップとして使用。