(3) 問題点等
1) バックヤードでの対応は数件にとどまり、設置期間・運用時間に、特段の問題はなかった。
2) 最終便で秋田入りする大会参加者も多かったが、設置当初MACから宿舎までの輸送方法が確立しておらず、多少の混乱があった。
3) JR秋田駅では、インフォメーション・ブースに外国語対応能力がなく、IDカード受け渡しカウンターがその役割を担うことになり、負荷が大変大きくなった。所掌業務と必要なマンパワーの乖離について、事前にどのように認識していたのかが問題である。
4) MACに設置したパソコン、プリンターに障害が多発し、業務が停滞する例があった。インストールしたソフト同士の相性やプリンターの能力等、十分な事前確認を怠ったためと思われる。
各種情報の管理・運用・その他に関する全体図
(1) 計画
1) IDカード
第6回ワールドゲームズにおける各種特権は、所持するIDカードにより付与され、その内容はIDカテゴリーごとに詳細に区分されるものとした。
IDカードは、IWGAとの協議を踏まえて、AOCが作成し、発行した。
2) IDカテゴリー
標準的なIDカテゴリーは次のとおり。
種類 |
対象者 |
Aカード |
VIP・AOC役員・次回開催地役員・スポンサー代表者等 |
Bカード |
IF技術代表者 |
Cカード |
IF競技者役員等 |
Dカード |
放送報道関係者 |
Eカード |
AOCスタッフ・運営スタッフ・スポンサー・サプライヤー |
3) IDカテゴリー区分表および立ち入り可能領域指定区分表の作成
標準的IDカテゴリーを踏まえて、カテゴリー別、所属組織別、大会役職名別に区分けしたより詳細な一覧表を作成することとした。
IDカテゴリー区分表を踏まえて、役職名ごとに立ち入り可能領域指定表を作成することとした。
種類 |
主なアクセスエリア |
Aカード |
ドーピングルーム・撮影エリアを除くすべてのエリア |
Bカード |
関係競技会場内のすべてのエリア |
Cカード |
関係競技会場内の競技・準備・観客エリア |
Dカード |
撮影エリア等 |
Eカード |
観客席を除くすべてのエリア |
4) IDカードの作成発行
IDカードはMACのみが作成し、その発行システムを運用・管理することとした。IDカードは、資格審査申請書に基づき登録したデータにより作成し、カテゴリー別・競技別・国籍別等に仕分げして保管することとした。
5) IDカードの交付
IDカードはMACにおいて交付することが原則であるが、ABCカテゴリーに限り、かつ、事前にトラベルプランにより秋田空港もしくはJR秋田駅で受け渡し可能な大会参加者については、当該空港・駅で受け渡すものとした。
なお、対応カテゴリー以外もしくはトラベルプラン未提出・変更により到着場所・日が異なる者については、すべてMACでIDカードを交付することとした。
(2) 実施内容
駅・空港におけるIDカードの受け渡しは、想定しうる事柄を10パターン化し、それぞれをマニュアル化して応対した。
また、トラベルプランの提出が少なかったため、約半数がイレギュラーな秋田県入りであったが、円滑にMACで対応できるよう、マニュアルを柔軟に変更しながら、輸送担当者の協力を得て、大きな混乱もなくMACに誘導できた。
カテゴリー毎の交付数は次のとおり。
種類 |
申請者数 |
交付者数 |
交付率 |
Aカード |
626 |
578 |
92.3パーセント |
Bカード |
79 |
68 |
86.1パーセント |
Cカード |
4,515 |
3,986 |
88.3パーセント |
Dカード |
1,127 |
1,081 |
95.9パーセント |
Eカード |
5,597 |
5,597 |
100.0パーセント |
計 |
11,944 |
11,310 |
94.7パーセント |
(3) 問題点等
1) 秋田空港では、トラベルプランで把握した者の1.4倍にあたる2,781人の大会参加者が利用したため、MAC行きを余儀なくされ、結果MACに大きな負荷がかかった。
2) 一部参加者は、トラベルプランの変更を連絡済であり、ここでIDカードをもらえないのはおかしいとの強いクレームがあり、対応に苦慮した。
3) トラベルプランの把握に如実に現れているが、ひとつの情報が、競技担当者、輸送担当者、情報管理班の間でどのように共有されていたかが問題であり、疎通について反省すべき点である。
  |
当初予想人数 |
実際人数 |
差異 |
秋田空港 |
1,981 |
2,781 |
800 |
JR秋田駅 |
245 |
281 |
36 |
計 |
2,226 |
3,062 |
836 |