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ありがとうを循環する地域通貨 3
 各地域通貨の内容・形式については、実践している団体やグループによって様々です。そこで、今月は日本の事例にも少し触れながら、地域通貨にはどのようなタイプがあるのか簡単に整理していくことにしましょう。
1 交換されるもの
「サービス」または「サービスとモノ」
 地域通貨には、地域通貨を使って交換する対象を、[1]日常生活のお手伝いのような「サービス」に主力を置いているもの、または[2]「サービス」と「モノ」の両方としているものがあり、[1]には、らく・かもん・だんだん・わくわく・さわやか愛知・NALC・ボランティア労力ネットワークなど、[2]には、レッツチタ・おうみ・WAT清算システム・ピーナッツ・yufuなどが挙げられます。
2 交換の計測基準
「時間」または「経済的な価値」
 各地域通貨には、その土地に縁のある親しみやすい呼び名なとか付けられ、単位の名称として使用されています。地域通貨の単位は、大きく分けて、[1]時間を基準とする方法(1単位の目安=1時間、30分相当など)、[2]経済的な価値(円貨など)を基準とする方法(1単位の目安=1円、100円相当など)とがあります。[1]には、らく・かもん・だんだん・わくわく・さわやか愛知・NALC・ボランティア労力ネットワークなど、[2]には、レッツチタ・おうみ・WAT清算システム・ピーナッツ・yufuなどが挙げられます。
3 地域通貨の表現方法
「通帳」「紙券・チップ」「借用証書」「時間預託通帳」他
 サービス(またはモノ)のやりとりを行うことでお互いが地域通貨を支払ったり受け取ったりしながら、個人の手元では増減を繰り返し、利用者の間を循環していくことになりますが、そのような地域通貨の動きについて表現・記録する方法は様々です。
 現在取り入れられている例では、[1]サービス(モノ)利用者と提供者が通帳に地域通貨の増減を記録する方法、[2]サービス(モノ)利用者が提供者に対して紙券やチップを支払う方法、[3]サービス(モノ)利用者が提供者に対して借用証書を振り出す方法、[4]サービス(モノ)利用者と提供者が通帳に時間の増減を記録する方法、などがあり、併用もされています。[1]には、レッツチタ・ピーナッツ・yufuなど、[2]には、おうみ・らく・かもん・だんだん・わくわくなど、[3]には、レッツチタ・WAT清算システム・yufuなど、[4]には、さわやか愛知・NALC・ボランティア労力ネットワークなどが挙げられます。
 (本誌P24〜で「らく」と「かもん」をご参照) 
 
日本各地の地域通貨
全国版地域通貨システムとしてはWAT清算システムやレインボーリングなどがあります。また、ふれあい切符制度(時間預託制度)についてはほんの一部をここでは記載しています。
 
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(※さわやか福祉財団作成の冊子「ふれあい・支え合いのきっかけづくり―地域通貨の手引書」をもとに作成)








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