3.幼稚部・キュードスピーチについて
・ パイナップルというのはキュードで出来るのか。バスのような濁音はキュードで出来るのか。
・ 濁音はこのように表し、半濁音「パピプペポ」などはこうだ。口の形をとってキュードに使っている。促音の場合も同じようにある。
・ キュードについては奈良の大会の時もいろいろな意見が出された。キュードがいい、言葉のリズムを掴むにはふさわしいというような意見もあった。子供の聞こえる力というのは、一人一人バラバラで、統一する事は出来ない。
・ 私の娘の聴力は100dBを越えている。聴力としては一番重い、0〜2歳児までの間、人工内耳を勧められたが断った。娘の同級生を見ると、実際に聴力が軽い子は話をしている。キュードを覚えている子もいる。0〜2歳の間で本当に大切なことは、手話でもキュードでも、とにかく目を合わせてコミュニケーションをとるということだと思う。
・ 私の娘は高校1年で、インテグレートしている。ろう学校の幼稚部に通っていた。その頃、キュードを習った。娘の聴力は103d B。キュードの御蔭で例えば、言いにくいサ行をどうやって表したらいいのかということが見てわかる。舌の動きに似ているので、覚えられたのではないかと思う。口話の能力を身に付けるという意味では良かったと思う。
・ 弟の方は3クラスに分かれている。誕生日ごとに4月〜7月、8月〜10月というふうなクラスの分け方をしている。その中で2人、1人、1人というふうに生徒がいる。弟のクラスは1人。軽い子供もいる。様子をみていると息子は手話も出来るので、先生から何か言われても、人と目を合わせる。息子の聴力は重い。しかし聴力ということだけではなく、家族とのコミュニケーションが出来ているかという問題があるのではないかと感じる。仕事を持った共働きの家庭もある。面倒だと放っておき、コミュニケーションをとれない家庭もある。私達の場合は、手話でコミュニケーションをしている。
・ キュードの話があり、懐かしいと思った。10年前、キュードのことでいろいろもめた。その後、キュードはなくなって、手話が随分重視されるようになったと思う。皆さんの話を聞いていると、ろう教育に関する情報交換が足りないのではないか、という気がした。もっと全国的に情報交換をしていくことが大切だというふうに感じる。
・ 私の1番上の子供は中学3年、2番目が中学2年、3番目が小学校5年だ。ろう学校に3人とも通っている。1番上の子供は幼稚部の時にキュードをすぐ覚えてしまった。頭が柔らかい。私は手話が身に付いてしまって、なかなかキュードを覚えることが出来なかった。コミュニケーションをとることは、非常に大切だ。手話の方がスムーズだ。キュードも効果があるというのは、自分としては納得出来ない。昔はキュードがなかった。キュードがあったとしても、手話があたり前だというふうだった。ある意味では、日本はまだまだ遅れている。アメリカでは既にキュードはなくなっているのに、日本ではまだ重要視されている。
・ キュードに対する疑問というのは、私も同じ。2番目の子供はキュードだけではなく手話を使って教育出来た。3番目の時には全くキュードは使わず手話だけだった。手話は家庭の中でも十分使っている。キュードだけに頼ってしまうと後から大変な思いをするかもしれない。