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レポート[2]
三重にもろう重複作業所を
田中 玲子
(ろう重複障害児・者を支える関係者の集い「ひまわりの会」)
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1.ひまわりの会とは
 三重県立聾学校に在籍しているろう重複児童・生徒を中心に、保護者や先生が仲間作り(交流)を行いながら、作業所作りのための勉強をし、なおかっそのための資金作りを行っている会です。
 1998年に発足し、現在9家族10人の子どもたち(高等部1人、中学部4人、小学部5人)と、支援してくださる先生方とで構成されています。
2.設立のきっかけ
[1]重複の子どもたちのグループ授業の参観を通して、保護者が集まり、その中で先生方を交えて、子どもたちの今の様子や、今後のことなどを話し合う機会が増えました。その後、静岡「まつぼっくりの家」の見学や、「関東の集い」に参加した結果、子どもたちの今後のために保護者や関係者が集まって、意見交換や学習会などを行っていく必要性を感じ、ひまわりの会の設立となりました。
[2]発足時の願い
1.ろう重複障害の仲間と彼らを支える家族・関係者がともに励ましあって交流できる場・相談できる場を作りたい。
2.ろう重複の仲間が家に閉じこもることなく、社会の一員として生き生きと楽しく生活できる場を保障したい。そのために、関係団体と協力していきたい。
3.活動内容
[1]月1回の例会
 聾学校の会議室を借りて、毎月第3土曜日に行っています。 内容は、交流会の計画や、研修・施設見学の報告などで、最近はフリーマーケットヘの参加の話し合いもしています。
[2]研修会
 仲間の交流や、他県の様子などの情報収集のために、いろいろな研修会に積極的に参加しています。
 「ろう教育を考える全国討論集会」
 「関東のつどい」
 「大阪家族の会」など
[3]施設見学
 下記のろう重複の作業所を見学し、設立までの話を聞くことができました。
 「まつぼっくりの家」(静岡)
 「くじら共同作業所」(和歌山)
 「なかまの里」(大阪)
 「ほくぶ作業所」(大阪)
 「神戸ろうあハウス」(兵庫)
 また、三重県内の作業所も見学しました。
[4]交流 仲間と家族が安心して楽しく参加する交流の場作りをしています。
 新年会・イチゴ狩り・キャンプ・バス旅行
[5]作業所を作るための資金作り
 手作り小物や、不用品のバザーを月1回程度行っています。
4.目指しているもの
 現在の三重県では、「ろう重複障害」に対する認識はないに等しく、コミュニケーションや障害に配慮した施設はありません。
 
 そこで、現在のひまわりの会の願いは、
・行政はもとより、多くの人にろう重複障害を理解してもらい、その実情を知ってもらう。
・子どもたちが持っているコミュニケーション障害に加えて、それぞれが併せ持つ障害を考慮し、学校生活で身に付けた力を発揮でき、さらに伸ばしていけるような作業所を作りたい。
・三重県内、どの市町村からも通うことのできる作業所を作りたい。
という3点です。
5.今後の課題
 これまではまず仲間作りということで、交流中心の活動内容でしたが、今後は、目標とする県内から通える作業所作りの為に必要な情報収集も含め、勉強会にも力を入れていきたいと考えています。また、バザーなどにも積極的に参加し、資金集めをしながら、多くの方に「ひまわりの会」を知っていただきたいと思っています。
 今後、広報の発行も予定しています。








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