第6分科会 重複児教育
討議の柱
[1]ろう重複児の状況とろう教育の課題
[2]ろう重複児の進路保障と作業所・施設つ<り
[3]ろう重複児の親の悩みと組織化
共同研究者 細野 浩一(社会福祉法人埼玉聴覚障害者福祉会)
司会 細野 浩一(社会福祉法人埼玉聴覚障害者福祉会)
駒井 雅夫(大阪府立生野聾学校)
レポート
「ろう重複児と寄宿舎教育」
針山 和雄(富山ろう学校寄宿舎を存続させる会)
「三重にもろう重複作業所を」
田中 玲子(ろう重複障害児・者を支える関係者の集い)
「あれから2年・・・いっぽの会(ろう重複児・者を支援する会)と娘と私の成長について」
前田 成美(奈良県立奈良ろう学校)
「共同作業所 なのはなの家を開所して」
佐藤 敦子(ろう重複障害者共同作業所なのはなの家)
「生活を豊かにきずく〜SFA(社会生活能力)学習のとりくみ〜」
上貞 日出憲(京都・いこいの村栗の木寮)
課題
ろう重複児の就学指導並びにろう(学校)教育の中での位置づけについては、聴覚に重度の障害をもっているにもかかわらず、様々な問題が積み残されている。現場での具体的な問題や課題を通してろう教育の中で重複児教育が正当に位置づいていく方向性を探っていきたい。
また、各地にひろがってきている、ろう重複者のための作業所づくりやそこでの実践を交流し、さらにこの流れを太いものにしていきたい。
1日目
司会:駒井(大阪府立生野聾学校)
はじめる前に石川盲ろう者友の会について話していただく。
楠本(石川盲ろう者友の会)
「石川盲ろう者友の会」は、目と耳に障害を持つ「盲ろう者」の自立と社会参加をめざして、平成7年に設立された。現在正会員約70名で、そのうち盲ろう者は10名である。今年4月に石川県の助成により、念願の事務所を持つことができた。「石川盲ろう者通訳介助員派遣事業」も、ここを中心に行っている。友の会の活動としては、月1回の定例会と月2回の触手話サークルで、交流やコミュニケーション技術の学習を行っている。
盲ろう者のコミュニケーション方法は、触手話、指文字、指点字、手書き文字等様々である。石川の場合は、手話・触手話を使う盲ろう者が多いが、点字を使用している人も数名いる。
石川の盲ろう者にとって大きな問題は、障害が重なったために、仕事が続けられなくなった人が多いということ。生きがいを持って働き、活動できる場所がほしいということを切に願っている。
共同研究者:細野(社会福祉法人埼玉聴覚障害者福祉会)
この集会では、最初からろう重複教育の分科会を設けてきた。これからのろう教育の中で、重複の子どもの教育は大事である。ろうあ運動の中でどれだけ理解が深まっているか、ろう教育またはろう学校の中で、重複の教育の位置づけはどうなっているか、改めて振り返ってみるとまだまだ課題がある。
10回目の記念集会の講演で、ろうあ者の社会参加とか権利の獲得を進めていく上で残された課題の1つが、重複の問題であるとはっきり言われた。それを全国のどこのろうあ運動の中でも、きっちりと位置づけていくということを働きかける必要がある。ろう教育の中で重複教育の位置づけが後退している面もある。