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レポート[5]
 連携授業「社会福祉」を通して障害認識について考える
 瀧本 孝美(和歌山県立和歌山聾学校)
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1はじめに
 平成8年より、本校と隣接する商業高校との学校間連携授業が始まった。当時は、全国初の特殊教育諸学校と普通高校との連携授業として注目を浴びた。授業が開講され5年が過ぎ、本校生徒の変化も現れてきている。
2連携授業とは
 「社会福祉」「文書処理」「情報処理」・・・各2単位(木5・6限)
 履修生徒 商業高校3年・・・課題研究の選択授業として
 本校生徒本科3年、専攻科1・2年・・・選択授業として
○平成12年度「社会福祉」受講生数
商業高校生 30名
本校高3 5名
専1    1名
専2    4名
○平成12年度担当教員 4名(うち1名聴覚障害教員)
○年間計画
・1学期・・・講義「聴覚障害者の歴史」「耳の仕組み」:本校教員
 「聴覚障害者の生活」:卒業生
 実技「手話教室(入門)」全日本ろうあ連盟出版局
・2学期・・・実技「手話教室(入門)」全日本ろうあ連盟出版局
 商業高校文化祭における手話コーラス発表への取り組み
・3学期・・・実技「手話教室(入門)」全日本ろうあ連盟出版局 1分間スピーチ
3「社会福祉」を通しての生徒の変化
☆自分を見つめる。ありのままの自分を好きになる。
・同年代の人に手話を教えることによって、自信がつく。
・手話に対する誇りからろう者である誇りへ。
・通じない経験から、自分を知ってもらう方法を模索する。
・自分の不利を説明する力。
 
☆手話について考える。
・いろいろな場面に応じた使い分けを考える。
音声併用で日本語対応手話
単語のみ発声
身振りを含めた感情を込めた表現
日常使っている表現
・ろう者にとって大切なことばであり、魅力のあることばである。
・この授業の主役はろう者。きこえる教師ではない。
 
☆表現することばから、伝えるためのことばへ。
・指文字のスピードの変化。
・表情の大切さを考えた表現。
・伝えたいという気持ちを込める。
4ビデオ教材作成
(1)単語表現:表現するので精一杯。標準手話について、考える機会となった。
(2)会話文表現:日本語対応手話と日本手話について考えた。
(3)手話コーラス:意味をつかんだ表現、一緒に楽しむことに重点を置く。
(4)商業高校文化祭レポート:コミュニケーションの様子がわかる。
(5)文章・会話文表現:(2)と比較するとかなり「見てもらう」ということを意識できている。
(6)本校文化祭の呼びかけ:手話を知らない人にわかってもらうには?








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