8.手話通訳と音声通訳、手話通訳の際の工夫
(1)96校中、無回答は3校であった。校外の派遣手話通訳を依頼するのは37校、校内の教職員が校務分掌として行うのは60校、その他が2校である。ただし、校内と校外の両方の通訳を用意するのが8校あった。その他の内容としては、字幕提示1、子どものそばで担任が通訳する式が1である。
(2)話者音声有りの場合の音声通訳については、回答数62校中、「用意しない」が23、「用意する」が24、「その他」が15であった。それぞれ37.1%、38.7%、24.2%となる。
(3)話者音声無しの場合の音声通訳は、回答数54校中、「用意しない」が11、「用意する」が27、「その他」が16であった。それぞれ20.4%、50.0%、29.6%となる。
(3)手話通訳の工夫については、84校から回答があった。圧倒的に多いのは「原稿の事前準備」が77校で、「その他」は16校である。(重複回答あり)
9.まとめ
前回の調査と比較すると、卒業式における種々の発言や校歌斉唱等に手話を用いる趨勢が一層明確になっている。また、字幕提示式数が大幅に増加していることや、複数の手だてを併用するなど、ろう学校において子どもたちに確実に伝わるコミュニケーション手段を整備しようとする姿勢がうかがえ、卒業式における望ましい情報保障のあり方についての方向性が定まりつつあるように思われる。