平成12年度 卒業式における情報保障に関する調査
ろう教育の明日を考える連絡協議会
ろう教育の明日を考える連絡協議会では、平成11年春に全国の聾学校を対象として、「入学式・卒業式における情報保障」に関するアンケート調査を実施している。今回は特に卒業式を対象として、同様の調査を行った。前回の調査は全国聴覚障害教職員連絡協議会研究部に委託したが、今回は本会調査研究部が担当した。ここではスペースの関係上、調査結果の一部について報告する。詳しい報告と分析は、連絡協議会機関紙「ろう教育の明日」に掲載する予定である。
年度末から年度始めの多忙な時期にもかかわらず、アンケート調査にご回答下さった各聾学校ご担当の方には厚くお礼申し上げます。
1.調査の目的
(1)全国の聾学校で実施された平成12年度卒業式において、幼児・児童・生徒が式の中における話の内容を十分理解できるようにするため、どのような手だてがなされているか、その実態を調査する。
(2)一昨年に実施した調査と比較検討することにより、この2年間における全国的な動向を把握し、さらに継続調査を行う場合の資料とする。
2.調査内容
(1)どの部の卒業式か。
(2)聴覚障害者の参列数(生徒を除く、教職員、来賓、保護者、その他の人数)
(3)式中の話の内容[1]にどのような情報保障の形[2]がとられているか。
[1]司会の発言、卒業証書授与、校長式辞、来賓祝辞(PTA、同窓会、その他)、祝電披露、在校生送辞、卒業生答辞、その他
[2](a)話者が手話を(一部、殆ど)用いる。
(b)何らかの形の通訳がつく(話者のそばで口話・キュー・手話通訳、子どものそばで口話・キュー・手話通訳、保護者のそばで手話通訳、来賓のそばで手話通訳)
(c)字幕がつく(液晶プロジェクターやOHPの利用)
(d)話の内容を印刷・配布する。
(e)口話のみ
(f)その他
(4)校歌斉唱について(校歌の有無、歌詞の手話表現の有無、斉唱の際の歌い方の工夫)
(5)手話通訳の担当者(校外から派遣依頼、教職員、その他)
(6)聴覚障害者の祝辞に対する読み取り通訳への対応の方法
(7)通訳をスムーズに行うための工夫
3.調査時期と方法
平成12年度の卒業式について、実施された卒業式毎にアンケート用紙に記入していただいた。したがって、1校で、例えば、「幼稚部」「小学部・中学部」「高等部・専攻科」で別々に卒業式を行った場合は、その学校は3枚の回答用紙に記入することになる。