4.具体的な教育方法
どんなふうに教えていたのか。〈以下、教材提示装置で資料を提示しながら説明〉
(1)アダムス・ブック=手話とデンマーク語の習得に使用している。
・ろう者がテキストの内容を手話で話しているビデオを見る。(内容の把握)このとき、テキストは開かせない。
・ビデオの内容を生徒自身の手話で話させる。間違ったところや戸惑ったところは、繰り返しビデオを再生して確認する。
・読む練習をする。
先生は常にOHPでテキストの内容を示している。 先生がテキストの部分を棒で指し、それを見ながら生徒が手話で話す。 分からない時は、ビデオで確認する。
・自然な手話で話す。
OHPに映されたテキストの文を棒で指す。 言葉の意味をつかんで自分の手話で話す。 この作業を繰り返して行う。
・文法的な確認をする。
穴埋め問題や内容にかかわる質問をする。(問題などは先生が準備する) きちんとした文法で(正しいデンマーク語で)書く。
・テキストの文章を一文ずつ拡大し、ばらばらにして黒板に貼る。
貼られた文を覚える。
ビデオを見て、黒板に貼られた文章の箇所を指摘させる。
このように、ゆっくり時間を取って読み書きを中心に学習しているので、デンマーク語と手話の類似点や相違点を十分に理解できるのです。
(2)時間割
デンマーク語と手話の授業が多くあります。読んで書くことに力を入れています。
(3)ボナベンチュラ(ろう児をもつ親の会)
・ろう児はふつうの子どもである。
・ろう児の言語は手話である。
・ろう児は病気にかかっているのではない。
・ろう児はやがてろうの成人になる。
・ろう児はろう児と交わらなければならない。
・ろう児は聴児と交わらなければならない。
・ろう児の親たちは互いを必要とする。
・ろう児の存在は家族にインパクトを与える。
親子間で使う言語が異なるということはありえないことで、ろう児の親は必ず手話を学びます。両親ばかりでなく、おじいちゃん、おばあちゃんの手話講座もあります。
(4)手話講座の様チ
ろう児をもつ祖父母がサットン手話文字システムを学習しています。手話文字システムとは、手話を文字として表したものです。見て手の動かし方が分かるようになっていて、この手話文字により、手話の文献を編集したり、第三者に伝えたりすることができます。