基礎講座2 北欧のバイリンガルろう教育
豊橋技術科学大学
加藤 三保子
1.手話との出会い
手話との出会いは、大学で先輩がゼミで手話について触れたことがきっかけで、手話についてぜひ勉強してみたいと思い始めました。小・中学生の頃に地下鉄の中でろうの生徒が、手話で楽しそうに話しているのを見たことも影響していたと思います。
大学4年生までは、聞こえる人のコミュニケーションについては勉強しましたが、ろう者のコミュニケーションについては、何も知りませんでした。それで、卒業後に手話講座で手話を学び、大学院では手話について言語学的に勉強し、修士論文は手話をテーマにして書きました。
豊橋技術科学大学では、英語と社会言語学を教えています。手話については大学院の授業で話をしています。選択科目ですが、この手話の講座には多くの学生が来てくれています。ろう者の生活、手話、そしてろう教育の問題などを話していますが、学生からは障害に対する考えが変わったなどの感想が寄せられます。手話とろう者について学ぶことで、学生の視野は確実に広がっているようで嬉しく思っています。少しずつでもコミュニケーション手段としての手話が一般の学生にも認識されていくことを願っています。