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祝辞 (金沢市教育委員会教育長 石原 多賀子)
 このたび、全国から多数の方々をお迎えし、「第13回ろう教育を考える全国討論集会」が本市において盛大に開催されますことを、心からお喜び申し上げます。本市にお迎えできますことは、聴覚に障害のある子ども達の教育に対する理解を深め、また本市教育の充実をはかるうえで大きな力になるものと感謝いたしております。
 近年、聴覚に障害のある子ども達を取り巻く社会的状況や教育のあり方は、ノーマライゼーション理念の広がりにつれて変化しつつあります。こうした中で、通常の学級での統合教育が重視されるとともに、現在では、手話が社会的に言語として認められつつあり、手話を取り入れた実践がろう学校において行われるようになってきました。聴覚に障害のある子ども達の教育においては、基本的には一人一人の子ども達の教育的なニーズを把握し、主体性を確立するために必要な教育的な支援が重要になってきております。
 このような折に「聴覚障害者のアイデンティティの確立と、こどもたちの教育と将来に豊かさを!」というテーマのもとに今大会が開催されますことは、誠に意義深いことであり、実り多い成果をあげられることとご期待申し上げます。
 本市におきましては、既設の小学校での「きこえの教室」に加え、中学校にも「きこえの教室」を開設し、聴覚障害教育の充実とともに通常の学級との連携をふまえた統合教育を推進してまいりました。今後とも、本市のこのような取り組みに対しまして、ご理解とご支援を賜りたくよろしくお願い申し上げます。
 終わりに、本大会の開催にご尽力いただきました関係の皆様方に心からの感謝申し上げますとともに、「ろう教育の明日を考える連絡協議会」のますますのご発展と皆様方のご活躍をお祈り申し上げまして、お祝いのことばといたします。








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