祝辞 (金沢市長 山出 保)
「聴覚障害者のアイデンティティの確立と、こどもたちの教育と将来に豊かさを」をテーマとして、第13回ろう教育を考える全国討論集会が金沢で開催されますことは、誠に喜ばしく、全国各地から参加の皆様方に、一言ご挨拶とご歓迎の言葉を申し上げます。
この集会は、「聴覚に障害をもつすべてのこどもたちの教育と将来」について、聴覚障害者教育に深く関わる立場の人々、教育関係者、父母、聴覚に障害がある方、手話関係者、ボランティアなどの方々が一堂に会し、共通の願いを確認するとともに聴覚障害者教育の在り方を考え合い、もってその発展に奇与することを目的として平成元年から開催されました。
以来、我が国のろう教育の改革に大きな役割を果たして来ましたことは、ひとえにこの問題に真剣に取り組んでこられました皆様方の努力の賜物であり、その間の数々のご苦労に対しまして深く敬意を表する次第であります。
手話が聴覚に障害のある方々のコミュニケーション手段として社会的に広く認知されて来ている現在、まだ多くのろう学校では手話の積極的導入に至っていないと伺っておりますが、本集会において皆様方の活発な議論によりその課題を克服されますよう心から願っております。
さて、当地金沢は、水と緑の自然が豊かな町で、歴史と伝統に恵まれ、学術・文化を育んでまいりました町で、9月8日から第18回全国都市緑化石川フェアが金沢を中心に開催され、また、来年からは加賀百万石の基礎を築いた前田利家と妻まつの物語を取り上げた、NHK大河ドラマ「利家とまつ」の放送が開始されます。どうぞこの機会に城下町金沢の歴史と伝統に触れ合って頂き、心ゆくまで散策されまして、皆様方の想い出の1ページに付け加えて頂ければと、思っています。
最後になりましたが、本集会の開催に大変ご尽力されました関係各位の皆様に対しまして心から感謝申し上げますとともに、本集会に参加の皆様方の今後益々のご活躍と、ご健勝を衷心よりご祈念いたしまして祝辞といたします。