歓迎のあいさつ
第13回ろう教育を考える全国討論集会
実行委員長 南 武
全国の皆さん、本日は白山連峰の山々と日本海、豊かな自然に恵まれた金沢市へようこそおいでくださいました。全国より多数の皆様をお迎えして、第13回ろう教育を考える全国討論集会を開催できますことを大変嬉しく思い、実行委員会を代表いたしまして心より歓迎申し上げます。
また、来賓の方々におかれましては公私ともにご多忙の中、ご臨席賜りまして厚く御礼申し上げます。
今年の集会は21世紀に入って最初の集会であり、われわれ聴覚障害者の未来を作る大きな一歩の集会であります。と申しますのも、多くの皆様にご協力をいただいた「聴覚障害者を差別する法律の撤廃をめざす100万人署名運動」の成果として、現在「薬剤師法」等の欠格条項が改正されつつあります。
20世紀に多くの先輩から受け継ぎ、創り上げてきたろうあ運動を、今後21世紀に繋げていきましょう。ろう教育についての課題につきましても、全国的に大きな変化が生まれてきています。ろう学校の教育の中に積極的に手話を取り入れ実践をされている現場の方々も、この集会でも大いに実践交流をされています。
石川県におきましては昨年、「ろう教育フオーラムin石川」を開催し、様々な立場の皆さんと、明日のろう児の豊かな発達を保障するための教育のあり方を論議し、共感の輪を広げてまいりました。また、ろう学校や行政の方々との連携も深まり、ろう教育について語り合う場も、できつつあります。
今集会のテーマは「聴覚障害者のアイデンティティの確立とこどもたちの教育と将来に豊かさを」です。私達聴覚障害者が自らの手で、ろう教育のあり方を探り、創り上げる。その中で聴覚障害者としてのアイデンティティを確立させ、コミュニケーションの自由な享受と人間としての生涯にわたる発達が保障される世の中を目指すこと。そのことがとりもなおさず、聴覚障害者のみならず、すべての子供達の豊かな明日を生み出していくことを確信し取り組んでいく、そういう決意のもとに掲げています。
この集会が、今日まで積み上げてこられた、皆様の取り組みの成果を確認し、さらなる飛躍につながることを願っております。
終わりに、本集会開催にあたり、あたたかいご支援とご協力をいただきました、石川県、金沢市をはじめ関係者の方々に深く感謝の意を表しますと共に、皆様のご健康とご活躍を祈念しまして歓迎のあいさつといたします。