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ごあいさつ
ろう教育の明日を考える連絡協議会
代表世話人 安藤 豊喜
 
 第13回ろう教育を考える全国討論集会が石川県実行委員会の皆さんや石川県、金沢市のご協力のお陰で盛大に開催できましたことを皆さまとともに喜びたいと思います。
 開催にご苦労いただいた皆様に厚くお礼を申し上げます。
 私どもの共通の目標は、ろうや難聴児の教育が多様性を持つものとして充実し、ひとりひとりの児童のもつ能力を高度に発達させる教育環境を全国的に整備することにあります。
 それには聴覚に障害を持つ人々が差別や偏見に苦しまない社会の実現を目指す運動と連携した取り組みが重要です。
 今年で13回を数えるこの教育集会は、当事者である聴覚障害者とろう、難聴児を持つ親、ろう、難聴児教育関係者などが一堂に会し、我が国のろう、難聴教育の歴史を検証しながら新しい教育観の確立を目指す研究と実践の集会として年輪を刻んできました。
 スタート当初はギクシャクした論議がありましたが、近年は、手話の有効性が真撃に論議されるとともに、社会条件や障害のない人に追随する視点でなく、ろう、難聴児の自主性、主体性を豊かに伸ばす教育のあり方が主題になりつつあることを皆さんと確認したいと思うのです。今年の集会は、21世紀に入って最初に開く集会であるとともに、欠格条項改正成立後の初めての集会です。
 一部の免許資格に、聴覚、言語を不可欠な身体的条件とする法律が残されていますが、情報・コミュニケーション保障の前進のなかで、薬剤師法、検査技師法などは、聴覚、言語の身体的な機能を必要不可欠な条件としない方向で改正されました。
 また、情報、コミュニケーションのバリアフリー化が急速に進展する様相を見せていますし、このような新しい時代に対応する教育のあり方が今日からの討論で方向づけられることを期待して私のごあいさつといたします。








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