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これからの看護記録・新しく変転するPOS ?診療情報開示とリスクマネージメントを視野にいれて?

 事業名 健康教育の啓蒙普及並びに調査研究(Enlightening movement & Research of Health education
 団体名 ライフ・プランニング・センター 注目度注目度5
第4章 問題志向型システム(Problem oriented system略してPOS)の基本
 POSに関する誤解を解くためには、今、原点に戻ることを勧める。
 その原点とは:日野原 重明著:POS、医学書院1973年発行
 看護過程もPOSも問題解決理論の応用(基本的な考え方は同じ)
 日本看護協会が示した看護記録の枠組みとPOSの枠組みとは基本的に同じである。
I.POSとは
1.POSの概念
 「POSとは、患者の問題が、患者のQOLを大切にしながら、最も効果的に解決されるように、いつも全人的立場から問題を取り上げ、考え、かつ行動する一連の記録である。
 常に、全人的ケアをめざして、患者のために、患者の側にあって、患者とともに、知識(science)と身についた技術(skill)をもって、命の主体である人間(humanity)のケアを実践するシステム(パラダイム)であり、哲学でもある。POSは、そのプリンシプルとなるシステムの流れの精神にそって、水が容器や環境によって姿を変えるように、医療チームの数と質とのさまざまな配置の中で、それぞれの独自性(identity)を尊重しつつ協働して働く。そこに、システムの真のパフォーマンスがある。だから、POSはサイエンスであり、また、アートである。」
 (日野原1986年第7回POS研究会講演より)
 POSは、outcomeをめざすシステムである。患者のクォリティーを高め、患者の意味の有る人生にフォーカスを当てる。(日野原2000)
 
INPUT→ PROCESS→
(内容・要素)
OUTPUT/OUTCOME
患者の問題 POMR 問題解決
(全人的立場) 監査 質の高いケア
QOLを重視 修正 QOLの維持・向上
 
 POSは患者の問題を明確にとらえ、問題解決を論理的に進めるシステムでもある。
2.POSの構造
 POSは、下記の記録と監査、修正の3つのサブシステムから構成されている。
z0011_01.jpg
図−4【POSの構造】
3.POSの中核である診療記録・PORの構成要素
 POSはSOAPノートだと誤解している看護職者が多い。POSにおける記録は下記の全てを含んでいる。
z0012_01.jpg
図−5【POSにおけるPORの構成要素】
 基礎情報を得る→解決するべき問題を明らかにする→問題を解決するための計画を立てる→実行→その結果・経過
 看護記録の構成要素も同様である。
4.POSという用語について
 この用語にPOSを理解する鍵がある。Problem Oriented Systemの略語である。
1)Problem(プロブレム・問題)
問題とは、あるべき望ましい状態を基準に、この状態から逸脱した望ましくない現在の状態とを比較し、この両者間のズレ・解決すべき事実をさしてる。
問題とは:患者の生活上の心身の機能・能力を妨げるような事柄(日野原)
2)Oriented(オリエンテッド・向ける)
「0」、オリエントは、ある方向に向けるとか、合わせるという意味であり、「クライエント・患者の問題に焦点をあてる」ということである。
3)System(システム)
「S」、システムとは方法、やり方とか手順という意味である。さらに専門的に説明するなら、「システムとは、全体を形成しているいくつかの内容・要素があり、これらが何んらかの目的に向かい一つずつが有機的に結びつき、全体として一つの意味をもって目標に向かっているものをいう」
POSは[1]5つの要素からなる問題志向型の記録と[2]監査、[3]修正という三つのサブシステム・要素によって構成されている。
 
Input→ Process→
(内容・要素)
Outcomes
患者の問題 POMR・監査・修正 患者の問題解決
望ましい状態からのズレ   望ましい状態
    その人らしい生活
5.POS誕生その背景
 POSは1968年L.L.Weedによって開発された診療記録のシステムである.
 (効果的な医療、教育、研究のために開発)
1)すべての人々への医療を提供することを可能にするコミュニケーションシステムを開発
2)患者の問題の所在と経過をはっきり示すシステムの基準を設定(Weed)
「われわれは日常の業務を行う中に学ぶ」(Hurst)
6.POSの目標:POSのめざすもの
 POSがめざそうとしているのは、クライエント・患者・家族の問題を全人的な視点から明確にとらえ、その問題解決を論理的に系統的に進めることである。
 このことによって、QOL維持・向上をめざした患者中心のケアを提供しようというのが目標である。
7.POSの構造(手順・システム)
1)第1のサブシステムは問題志向型記録(POR・Problem Oriented Record)
2)第2のサブシステムは監査
3)第3のサブシステムは修正
 これらの要素がそれぞれの意味をもち、さらに3つが互いに関連しあい全体として患者のケアの質を高めるという目標に向かっている。
 :PONR Problem Oriented Nurse's Recordという用語は造語である。
8.POSの第1のサブシステムである問題志向型記録
1)第一のサブシステムである問題志向型記録(POR・Problem Oriented Record)の基本および看護記録の基本的構成要素との関連
(1)基礎情報(Data Base):
 系統的に、継続的にクライエント・患者のプロフィルや健康・健康問題に関する情報を収集し記録する。
(2)問題リスト(Problem List):
 情報からクライエント・患者の固有の問題を明らかにし、問題を列挙する。
 List・リストというのは、一覧表という意味である。
問題の定義:
問題とは、愚考の生活上の心身の機能・能力を妨げるような事柄(日野原)
POSでは潜在する問題(不確実性)は挙げないのが原則である。
医師の問題リストには、潜在する問題は挙げられていない。
(3)初期計画(Initial Plan):
問題が明らかになった時点で、一つ一つの問題を解決するために、各問題毎に問題解決のための計画を立案する。看護計画と同じ考え方である。
初期計画の構成要素:(日野原1973文献1 p11)
[1]Diagnostic plan(略してDP):診断計画
・診断を確定するための諸検査項目の選定、その他の基礎情報を集めるための計画
・患者のケアや処置上必要な情報として、病気の経過状況の判断(評価)のための資料や、治療に対する患者の反応、治療上の副作用を知るための情報を集める計画
[2]Therapeutic plan(略してTP):治療計画
単に薬や処方上の指示だけでなく、将来起こりうる、あらゆる状況を想定して究極の目標(end-point)と、治療の継続的計画を立てる。
[3]Educational plan(略してEP):教育計画
おのおのの問題点ついて、患者とその家族への教育計画を立てる。
(4)経過記録(Progress notes):
初期計画にもとづいてケア・治療を実施し、各問題の一つ一つについてのfollow up(追跡)の記録である。(日野原'73)
初期計画にもとづいてケア/治療を実行した結果、各問題がどのように変化していっているか問題毎に経過を記録する。問題を評価する記録でもある。
[1]叙述的経過ノート(Narrative Notes SOAPノート)
[2]経過一覧表(Flow Sheets)
これは患者の経過中現れる種々のデータや所見などは一見してわかるような一覧表として作成する。患者の状況を要領よく、時間を浪しないで理解するための表現方式である。(日野原p12)
(5)サマリー(Summry :
最終的にクライエント・患者の退院時あるいは受診終了時にこれらのプロセスを要約する。
 
 このように問題志向型記録は、問題を明らかにするプロセスと問題解決のためのアプローチの方法とその成果のプロセスの思考と実践が一定の記録方法によって記録される。








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