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(16)鳥取
会場: 鳥取市福祉文化会館
日時: 平成13年6月30日(土)午前10時〜16時
来場者: 16名
相談ボランティア: 2名
受入機関: 5団体
概要: 不登校生の人口比全国一が2年続いた鳥取県なので、多数参加するかと思ったが少なかった。やはり地方独特の世間体を気にしてのことであろうか。そんな中でシンポジウムは本事業にとって大変意義のある意見が多数あった。
[1]「不登校生の進路と社会参加」シンポジウム
パネラー: 東伯町商工会議所 理事 鈴木 博実 氏
  倉吉北高等学校 教諭 今崎 美恵子 氏
  ハーミニーカレッジ 代表 石井 博史 氏
  阪本進学教室 代表 阪本 秀樹 氏
  翔文館進学教室 代表 井上 秀昭 氏
司会: 社団法人 日本青少年育成協会 専務理事 近藤 正隆
討議内容:
石井:不登校は誰にでも起こり得る小さなつまずきだから、問題視する必要はない。自然体験による小さな自信の積み重ねで彼等は立ち直っていく。
今崎:体育教師から教育相談を受け持つよう立場になって、人との付き合いは「心」だと思った。ある野球少年だった子が脳梗塞で障害児になった。家庭訪問をしたとき布団から出てこなかったが、自分の兄も同じような病気であることを話したら心を開いて話をするようになり、今は通学している。
榊原:不登校生は自然体で個性を表現している。自分の娘も不登校だが、元気なのでそれでよいと思っている。本校の不登校生は皆明るい。通信制高校でも推薦入試で大学に入れる子もいるので励ましている。広島では不登校生を受け入れてくれる企業が増えており、学歴よりその人自身の人柄と能力だと言ってくれる。本校では女の子の拒食症も多い。 したいという子もいるので、支援し期待している。一般的には指示待ち人間も多いが、本校の生徒は積極的だ。ある動物好きの子は親を説得して、そういう専門学校に進学した。我が子の不登校で自分も変わった。親が変われば子は変わる。
 本校では元不登校生がボランティアをするようになった。それを見ていると不登校生が新しい面を持って世の中を変えていくような気がする。浪人の1年も不登校の1年も同じだと思う。今はむしろ子離れできない親が多いので、いくつになっても「うちの子」になっている。20歳を過ぎたら大人として扱わなければおかしい。親が子の成長を邪魔している。
石井:昼夜逆転している子も馬が待っていると思うと朝起きられるようになる。自分が必要とされていると思うと自信になる。そこから自立に進んでいく。自然との出会いが人間性を育んだ。自然体験で自分では破れない殼が自然に破れていく。人生の先輩である親や先生の力と協力も当然必要だ。
 
質疑応答
Q:不登校の子が社会にどんどん出て行くと、授産施設の仕事を奪うことになるのではないか。
A:不登校の子のなりたい職種はゲームセンター。不登校生を雇いたがる職種は八百屋・スーパー・農協・果樹園・農業生産法人などで、現状では授産施設とは競合していない。








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