5.相談ボランティアの研修
4月に応募した相談ボランティアの中でアンケートに答えた250名に対し、秋の相談会で相談に乗るため、全国5ヶ所で研修を行った。開催地、日程、講師等は以下のとおり。尚東京は講師の好意で、7月に参加できなかった人たちの研修を8月に行い、さらに上級のカウンセリングを希望する人のために、12月から3月まで48時間の研修を行った。
東京: |
7月9日(月)〜11日(水)、 |
講師:柳澤 淳子 |
参加者22名 |
大阪: |
8月14日(火)〜15日(水)、 |
講師:徳田 健一 |
参加者37名 |
福岡: |
8月17日(金)〜19日(日)、 |
講師:遠藤 律子 |
参加者15名 |
札幌: |
8月25日(土) 、 |
講師:池上喜重子 |
参加者10名 |
広島: |
9月25日(火)〜26日(水)、 |
講師:上薗昭二郎 |
参加者9名 |
東京研修会:7月9日(月)〜11日(水)
ピアカウンセリングのレッスンは、自己開示が主な為に、転移という恋愛関係的な思い込みが生じやすい為基本的には男性と女性は別でレッスンをしなくてはならないため、男性の輪が一つと女性の輪が2つで行った。
最初は自己紹介、次にゲーム感覚のロールプレイ、対応に口をきいてはならない我慢のロールプレイと、だんだん本格的なカウンセリングレッスンに進んでゆき、山場にコアソローという退行催眠を行った。心が純粋な子達ゆえ内面深くまで入り込み、半分以上が自己の内面の混乱に触れた。スタッフのピアカウンセラーがその全ての混乱に癒しを与え、ほとんどの子供たちは、自分の心の中の不思議な感覚を体験した。最終日には全員のほとんどが寝る時間が無いくらい大変な思いをして逐語録を作り査定が行われた。ほとんどの子の意見として、初めての体験のものが多く、戸惑いもしたがよかったという感想が多かった事は本来は64時間必要なところを20時間で大急ぎで行ったという不完全燃焼は感じたが、ほんの少しの安堵を感じた。
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東京臨時研修:8月21日(火)〜23日(木)
こちらは泊まり込みでなく、通いの二日間で行われた。このグループにも男性が入っていたが、人数が少なかったので組み合わせは男性同士、女性同士として、後は全員が輪になり混合で行った。女性同士も友人関係の者が多く、身内同士、親友同士、知り合い、などは一緒にレッスンはできないというピアの原則があり、協力してくれた数人のピアカウンセラーのスタッフに参加してもらい、知り合い同士の組み合わせは避けて行った。
まず自己紹介、ゲーム的ロールプレイ、我慢のロールプレイと進み、コアソロー(退行催眠)にゆき、ここもやはり、ほとんどが心の内面深く入り、自分の混乱に触れた。ピアカウンセラーのスタッフが丁寧に混乱を癒し、気分転換のゲームで大騒ぎをしてから、こちらではWカウンセリングを行った。輪の中央に、カウンセラー役とクライアント役が座り、交互にカウンセリング行為を行う。側にスーパーバイザーがついて、カウンセラーにクライアントへの対応を注意され、又観察している輪の皆が感じた事を伝える。カウンセラー役にとっては辛い試練だが、失敗する事により覚える事が多く、又その失敗は回りのみんなの勉強にもなる。こういう場面を何度も繰り返し味わい、又観察する事により自らがカウンセリング行為を学んでいくのである。
カウンセリングレッスンにはこれが正しいというものは無い、マニュアルはあるが、心に対する解決策と言うものは個々違う為に、個々が学び個々のカウンセリングを構築して行かなくてはならない。為に、カウンセラーとクライアントは相性があるということになり、個々が構築したカウンセリングと、相性の合うクライアントとの自己開示による交互カウンセリングをしていくこと、これをピアカウンセリングと言っている。
最後は全員輪になって、バズセッションを行い解散した。このグループもほとんどが、よかったと言う意見であった。何人かの心理学選考の学生もいたが、こんな密度の濃いロールプレイは学校ではやらないから良かったと言ってくれたことが、実践を重んじているNPO法人APL・ピアカウンセリング研究会には、うれしいプレゼントだった。