(14)茨城(水戸)
会場: |
水戸市青少年会館 |
日時: |
平成13年6月23日(日) |
来場者: |
30人 |
相談ボランティア: |
3名 |
受入機関: |
3団体 |
[1]「不登校生の進路と社会参加」シンポジウム
パネラー: |
茨城大学教育学部 教授 生越 達助 氏 |
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つくば子どもと教育相談センター 相談員 菊地 芳明 氏 |
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茨城県高校進学情報刊行会 小山 哲司 氏 |
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日本青少年育成協会 相談員 成瀬 栄子 |
司会: |
社団法人 日本青少年育成協会 茨城県実行委員長 村尾 聡一 |
討議内容:
司会村尾が、適応指導教室など行政が提供するサービス・施設について資料を配り、幾つかの施設について、取材した結果を報告した。
生越氏:適応指導教室などの行政サービスは試してみる価値はあると思う。しかし、必ずしも、その子どもにあったサービスを提供してくれるわけではない。不登校生やひきこもりにとって、社会との関係を取り結ぶきっかけとして必要なのは、自宅以外の自分の居場所ではないか。また、親御さん自身の意識が変わらなければ、問題の解決にならない事が多い。
成瀬氏:不登校生やひきこもりが外に出て行くときに、誰か家族以外の人が必要になる。自分の経験から、あるときは両親の友人として、あるときは画家として接触し、関係を作っていく。
菊池氏:不登校生が外部の人と接触する機会は少ないが、同年代の人たちがメンタルフレンドとして、彼等と接触している。それがきっかけになって、不登校生の親御さん達や地域のボランティアが主催する会に参加して、自分の居場所を見つけるケースもある。つくば市周辺では、親の会やひきこもりのなど様々な会があり活動している。親御さんも親の会に参加されて愚痴を言い合うことも必要なのではないか。
質疑応答の中で、中学校の不登校生の高校進学が切実な問題である。県立高校へは進学できないのか、という質問が出た。これに小山氏が提供してくださった資料をもとに答えている。(この資料には、居場所・親の会・相談窓口の活動内容のリストもあり、相談にみえた方達に喜ばれた。)
小山氏:来年度から、茨城県では高校ごとに入学試験の上位30%の受験生は、内申書や出席日数を考慮せず合格とするよう規則が変更される。これは不登校生の高校進学に門戸を開くものである。
相談内容は進路相談と親御さん自身が今悩んでいることについての相談がほとんどであった。社会参加についての相談はほとんどなかったようだ。
シンポジウムと同日同一会場での相談だったので、シンポジウムの来場者はほとんど相談会にも参加されたようだ。定刻を過ぎても相談が終わらず、会は盛会であったと思う。相談会はボランティアの皆さんに助けられた。特に、不登校経験を持つ2人の方が、木目細やかに気を使い、親御さん達の話を親身に聞いている姿が印象に残る。