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(12)新潟
会場: 新潟テルサ
日時: 平成13年6月17日(日)午前10時〜17時
来場者: 63人
相談ボランティア: 6人
受入機関: 7団体
概要: 蛯原・松井の両ベテランをパネラーに迎え、来場者も多くシンポジウムでの質疑応答も論点がはっきりして、大変充実したものだった。
[1]「不登校生の進路と社会参加」シンポジウム
パネラー: メンタルフレンド 新潟 代表 蛯原 勝 氏
  特別養護老人ホームつばめ福寿園総合ボランティアコーディネーター
  松井 講学 氏
  相談ボランティア 見崎 真聖紀 氏
  相談ボランティア 大竹口 一美 氏
コーディネーター: 社団法人 日本青少年育成協会 専務理事 近藤 正隆
司会: 社団法人 日本青少年育成協会 企画推進部長 石山 義典
討議内容:
蛯原:4年前から不登校にかかわる。不登校生の親との友達付き合いから人間関係を広げていく。メンタルフレンドは18歳から35歳(大部分が元不登校生)を派遣している。約30名いる。ひきこもりの方の居場所を開設し、相談にも乗っている。フレンドを派遣する先を会員制にしており、これも30名位で10件の相談を受けて派遣になるのは1件ぐらい。親が相談に来て派遣を依頼するが、本人が拒否することが多い。親への相談(派遣)は40代ぐらい(親と同年齢)の相談員が対応し、本人へのフレンドは若い人達が対応している。訪問相談をしている所の中には、家庭に土足で踏み込むような対応をするところがあるので注意している。
松井:年間延べ1万人近いボランティアを受け入れている。現在高2の不登校生が来て2ヶ月たったので様子を観ている。知的障害者で暴力をふるい、保護観察中の人も半年間来ていた。現在彼は劇団員になっている。今来ている不登校ボランティアは週二回来て、丸一日いる。彼は歩くのもふらつくような状態で挨拶もできず全く話もできなかったが、オムツをたたみ、片付けるような仕事をしてもらっているが徐々に顔色も良くなった。感謝状を渡したところ、かなり自信ができたようなので今後もこんな対応をしていきたい。
見崎:父親が転勤族で転校して新宿に行った時にシカトされて、誰にも話しかけられず友達がいなかった。中学ではいじめられ易い生徒達と一緒に頑張った。高校生までは人間不信になっていたが、大学に入ってからは友達の相談にのったりしていた。卒業後一度就職したが、福祉の世界に興味を持ち再度別の学校で学んでいる。
大竹口:家庭教師派遣会社で事務と教師を兼ねた仕事をしている。不登校という形でしか自分を表現できない人もいるので、不登校を肯定したい。中2の頃不登校になったが、学校に行けなくなっても両親共何も言わなかった。この両親に支えられたと思うが、両親はつらかったと思う。当時から何かあったら、両親に話せば助けてくれるという安心感があったので、今まで頑張れた。当時は後ろ向きだったが次第に前向きになったので、当時の経験を生かして今後役に立ちたい。
フロアーから
 4年前子供が不登校になった。外国人なので余計大変。子供のためにカウンセリングも受けた。ヨーロッパでは中学生になると行政機関で進路相談にのる。日本でも不登校生でも就ける職業の情報がほしい。職種ごとのリストがほしい。ビデオで様子が知りたい。
蛯原:児童相談所の児童福祉士は人口10万人に1人しかいないので、不登校の問題だけでなく外国人の差別の問題や弱者の職業選択の道が閉ざされている。今後行政も含め我々で解決していかなければならない問題は多い。
[2]相談会
 蛯原氏が相談にのる時間がなかったので、新潟の情報に詳しい人が少なく十分な対応ができなかった。しかし社会参加や不登校生受入教育機関・ひきこもりの問題には十分対応できたことと、このような催しを初めて開いたことで来場者には満足感があったと思う。
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