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(9)長野
会場: 山王共済会館
日時: 平成13年6月16日(土)午前10時〜16時
来場者: 8人
相談ボランティア: 2人
受入機関: 4団体
概要: 地方紙の信濃毎日新聞に載っていたのが開催前日だったこともあって、来場者が極めて少なかった。シンポジウムの内容が非常に良かったので、余計残念だった。
[1]「不登校生の進路と社会参加」シンポジウム
期日: 平成13年6月16日(土)
会場: 長野山王共済会館
パネラー: 学校法人中野学園 オイスカ高校 広報担当 中野 與一郎 氏
  特別養護老人ホーム「やすらぎの里」 生活指導員 田村 洋子 氏
  株式会社アカデミアインターナショナル 代表 廣谷 佳巳 氏
  相談ボランティア 楠 亜由実 氏
コーディネーター: 社団法人 日本青少年育成協会 専務理事 近藤 正隆
司会: 社団法人 日本青少年育成協会 企画推進部長 石山 義典
討議内容:
広谷:米国には不登校生を受け入れる公立のマグネットスクールが270校もある。私はその内の1校の日本人初の評議員になったが、それぞれ大変にユニークである。例えば、各国の大使館の人を呼んで授業をしてもらう。そうするとその国に興味を持って調べる、というような授業を行っている。日本でも来年から行われる総合的な学習の中で、このような学習を取り入れると良いと思う。
田村:やすらぎ園は長野市で最も古い特別養護老人ホームで、現在年間延べ1800人のボランティアが手伝いに来てくれる。不登校生のボランティアが来る時、職員にはその子に学校のこと勉強のこと(学校に行かなくていいのか等)は話さないように言っておく。不登校のボランティアさんは最初は他人と話もできなくて、洗濯物をたたむこと位しかできないが、少しずつ話ができるようになりホームの行事にも参加できるようになる。その子は1年後に学校に戻った。自分の娘2人も不登校だった。上の娘は大学3年になったが、まだ他人とのコミュニケーションが不得意。下の娘はどの高校でもいいからと思って、本人も納得の上で農業高校に入った。最初は休みがちだったが、次第に果物や花を育てることに興味を持ち卒業できた。
中野:本校は全寮制なので最初は家に帰りたがるが、次第に自分の居場所を見出し積極的になる生徒が多いので、環境が大切だと思う。今年卒業した生徒達もそんな様子であったが、その中で総代で答辞を読んだ子は答辞の中で本人の不登校体験を述べ、参加者に感動を与えた。
 私は常識・道徳観・倫理観などの欠如という現代の各種の問題を、不登校の体験者が救えると思う。不登校経験者の方がボランティア意識もあり、素直で、他人のことを考え、感謝の気持ちを常に持っているので、世の中の「ねじれ」を直せるのではないか、世直しに貢献できるのではないかと思う。但し自分を変えるのは自分自身しかいない。その意欲を持つかどうかです。不登校・ひきこもりはたまたま今の環境が合わなかっただけです。でも行くなら単に「居心地がよい」だけではダメです。あまり居心地が良いと、そこから出られなくなります。寒風が吹く社会に参加できなくなりますから。
楠:私は5年間ひきこもっていましたが、その間にやりたいことが見付かって、それから一生懸命に勉強して独学で大検に合格しました。目標が見付かれば、やる気が沸きます。「もう遅い」ということはありません。今は専門学校生ですが、来年の卒業後はサポート校でカウンセラーをしたいと思っています。
[2]相談会
 参加者は少なかったが、かなり難しい問題を抱えた人達(本人2人、両親1組)がいたので、相談員がじっくり時間をかけて対応し相談者は満足して帰っていった。
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