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成果-IV.行政側の対応
 
 一年の活動を通じて、政府、地方自治体等においても様々な対応があることがわかった。これも今年度の成果として報告し、不登校生の社会参加に活用していただきたい。
1. 経済産業省、中小企業省、中小企業総合事業団では中小企業・ベンチャー総合支援センターを全国8ヶ所に設置している。ここは新商品や新サービスの開発、アイデアを持つ人に起業するための資金調達、特許、ビジネスプラン等の相談にのる所で、必要に応じて人材や情報も提供するもの。何かアイデアが生まれたら相談したらどうだろうか。
 
2. 厚生労働省では「職業能力開発の充実」ということで若者の職場適応を応援している。その内容としては「トライアル雇用」を行う企業に奨励金を出し、若年失業者の実践的な能力習得、その後の就労を支援している。(3を参照)又、同省は民間による就職あっせんをインターネットの活用で拡大するための規制緩和を行っている。つまり今までは職業紹介事業者が求職者を登録する時に、面談なしにメールだけで可能となり、遠距離の人々には便利になる。更に求職者や求人企業が条件とアドレスを入力して自動検索できるようなホームページの作成は、本協会のような団体でも可能となったので、両者が直接連絡する場も設けられるので、今後の課題として活用したい。
 
3. 厚生労働省は平成13年12月から、企業に職場実習を含めて3ヶ月間の試し雇用を認める「トライアル雇用制度」を取り入れている。この制度の特長は、
[1]ハローワークが推薦・紹介する若年者を3ヶ月までの短期間、試行的に雇っていただき、その間、実務能力の向上を図る。
[2]このトライアル雇用に対して一定の奨励金を支給することで、起業における初期の費用負担の軽減を図る。
[3]企業は、トライアル雇用中に若年者の業務遂行能力を見極めたうえで、本採用するかどうかを決めることができる。特に、複数の採用候補の若年者から最適な人材を採用することもできる。
[4]若年者にとっても、企業の求める能力・技術を実感し、努力することで、その後の本採用に結びつけることも可能である。
 これを実施する事業主には、30才未満の若年層1人につき、1か月5万円が支給される。
(ただしトライアル中の賃金が10万円未満の場合は月額給与の1/2相当が支給される。
 又、この間に必要があれば、事業所内の研修。専修学校等外部の教育機関での教育訓練等能力開発も行うことができ、その費用は6万円までの範囲で支給される。ただしこの制度を活用する企業は、ハローワークに求人票を退出しておく必要があり、雇用される求職者も、ハローワークに登録しておく必要がある。)
【若年者トライアル雇用事業の流れ】
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4. 厚生労働省では昨年11月、東京、横浜、大阪、神戸に若年層のための「ヤングハローワーク」を設置した。これは今、問題になっている失業率の中でも、年令が若い程高くなり、10代では12.2%となっているためである。ヤングハローワーク渋谷では5万件の求人情報をパソコンで検索できるほか、定職についたことのない若者のため、職業適性診断や約500種類の仕事の内容がビデオで見られるコーナーも設けているという。不登校経験者も是非利用してほしい。








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