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認証取得活動支援
(1)プロジェクトに対する経営者による支援の必要性
◆認証取得プロジェクトのような全社活動において、当該組織のトップである経営者の支援無くしてその成功は覚束ないといえよう。
◆何故ならば、「全社活動」ということは、少なからず部門間のトラブルなり、問題が発生することは必定であり、それら解決にはトップのリーダーシップや活動が否が応でも必要となる場面が出てくるからである。
◆ISO9001認証取得活動は、その範囲が全社に及ぶ「全社活動」であり、部分的な活動ではないのであり、そのことを経営者が認識し行動しなければ、問題が発生することは、自明であろう。
◆万一、経営者がこのような状況を認識しない場合には、以下質問を自社経営者の性格・知識及び自社が置かれた状況に応じてアレンジして、質問なり誘導してはどうであろうか?
[1]認証取得によって社内で誰が一番メリットを受けるのか?
[2]ISO9000s規格で「4.1経営者の責任」が第1番目にあるのはなぜか?
[3]部門間で発生したトラブルにおいて、部門長間で収拾がつかなくなった場合、誰が解決に対するリーダーシップを発揮するのが現実的であり合理的であろうか?
(2)プロジェクトに対する経営者による支援方法
1)経営者による決意表示
 認証取得活動には、組織全体の「方向性・指向性」が各構成要員に対して明示されなければ、組織全体での活動の遂行は困難であり、また、何よりも活動遂行においては、組織全体が一種の「勢い」に乗れるか否かが重要な場合が多い。それらにおいては、組織のリーダーである経営者の「決意」の表示、「方針」の明示が必要となる。そこで、一般的には、決意・方針の明示方法を、以下のイベント及びツールを利用して行なう場合が多い。
[1]キックオフ大会
[2]方針書の掲示
2)経営者によるリーダーシップ活動
 経営者による認証取得活動に対するリーダーシップの具体例を以下に示す。
[1]部門間の利害調整のようなトップしか問題の無い解決を図れる人がいない事案に対する調整及び解決。
[2]役員及び幹部クラスに対する認証取得活動に対する意識改革。
[3]役員及び幹部クラスに対するモチベーション(動機付け)。
[4]人員の確保等、投資的な事案に対する決済及び支援。
(3)プロジェクトに対する部門責任者・幹部による支援の必要性
◆認証取得プロジェクトにおいて、当該組織内の責任者である部門長や幹部の協力や支援無くしてその成功は覚束ないともいえる。
◆この部門長及び幹部によるプロジェクト活動に対する支援とは、以下の行為を指すと行っても過言ではない。
1)「部門エゴ」の最小化
 自部門の利益のみを考える「部門エゴ」が先鋭化すると、収拾がつかなくなり、その結果、品質マネジメントシステム構築工数が増大するだけである。今回のプロジェクトにおいて、部門長及び幹部に対して求められるのは、以下のような部門エゴを最小化することであり、これが最大のプロジェクト支援に繋がる。
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2)「部門業績」と「プロジェクト成果(目的)」とのバランス化
 自部門の業績に対して部門長及び幹部は責任を負わされている身分であることから、その責任から超越したプロジェクトに対する反発も止むをえないところもある。しかし、その結果、当該部門長が、提供した自部門出身のプロジェクト事務局員もしくは実務担当者に対して、部門の業績を強要すると、プロジェクト自体に多大な悪影響を及ぼすことがある。従って、部門長及び幹部のプロジェクト活動に対する支援行為としては、「部門業績」と「プロジェクト成果」とのバランスを図ることであるといえよう。
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