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7.3 設計・開発
7.3.1 設計・開発の計画
(1)設計・開発適用区分
 当社では設計業務に関し、その区分及び主管部門を、以下の通り設定する。

区分 設計内容 設計主管部門 担当者
新規設計 ◇ハッチカバー製品設計 ◇設計部 ◇設計担当者
◇タンク製品設計
◇配管工事設計
既存設計修正 ◇上記既存設計の修正

(2)設計計画管理概要
 当社における「設計管理」の管理概要は以下の通りである。
[1]設計担当者は、個別に発生した設計の計画は、管理様式「設計計画書」に従い作成する。
[2]上記計画書は、当該設計上、必要となる各設計活動内容及びその実行責任者について明示されている。
[3]当該主管部門長は、当該の開発設計活動に対して、適切な手段を与えられ、かつ当該設計業務に対する適切な処理能力を有する有資格者を、必ず割り当てる。
[4]上記計画書は、その進展状況に応じて適宜更新する。
(3)設計計画内容
 当社における「設計計画書」の内容は、以下事項を満足している。
a)設計業務の段階
b)設計の各段階に適したレビュー、検証及び妥当性確認
c)設計に関する責任・権限
(4)組織上のインターフェース
 当社は、当該設計業務とは異なった業務を担当する部門が、設計プロセスに対して、情報をインプットする場合、部門間の組織上のインターフェースを明確にし、必要な情報は文書にして伝達する。また、インターフェースを運用するに当って、その部門間の責任の割り当ても明確にする。
7.3.2 設計・開発へのインプット
(1)設計へのインプット管理概要
 設計へのインプットの管理概要は以下の通りである。
[1]提供する製品・サービスに対して、設計担当者は適用される法令・規制上の要求事項も含めて、設計にインプットする要求事項を明確にし文書化し、それら要求事項選択の適切性をレビューする。尚、インプットする内容は次項(2)に示す。
[2]インプット情報の適切性は「7.3.4設計・開発のレビュー」においてもその適切性をレビューする。
[3]当該設計業務において、不完全、不明確又は矛盾する要求事項が存在した場合には、当該の要求事項を課す責任者の間で解決する。
(2)設計へのインプット情報内容
 設計工程ヘインプットする要求事項は以下の通りである。尚、要求事項は「漏れがなく」「曖昧ではなく」「相反しない」ことが適切性のレビューで確認される。

[1]「7.2顧客関連のプロセス」で明確化された要求事項 a)顧客要求事項
b1)製品・サービス特性事項1 b2)製品・サービス特性事項2
c)法令・規制要求事項
d)組織追加要求事項
[2][適用可能な場合のみ]以前の類似した設計から得られた情報
[3]設計に不可欠なその他要求事項

7.3.3 設計・開発からのアウトプット
(1)設計からのアウトプット管理概要
 設計からのアウトプットの管理概要は以下の通りである。
[1]設計からのアウトプット成果は、「7.3.5設計・開発の検証」による検証を経て、出て来る。
[2]設計からのアウトプット成果は、必ず購買、製造及びサービス等の次工程が開始される前に検証され承認される体系を持つ。
(2)設計からのインプット成果内容
 当該設計における設計からアウトプット成果内容は、以下事項を満たす。
[1]アウトプット成果の表現が、その後の検証及び妥当性確認において対比し検証ができるような、適切な表現・内容である。
[2]設計へのインプットで与えられた要求事項を満たしている。
[3]購買、製造及びサービス提供に対してその情報は適切である。
[4]製品・サービスの合否判定基準を含むか、又は引用している。
[5]製品・サービスが安全かつ適切に機能し使用されるために、重要な設計上の特性を明確にしている。
7.3.4 設計・開発のレビュー
(1)設計のレビュー管理概要
 当社では、設計のレビューを「デザインレビュー」と称し、「デザインレビュー委員会」という委員会形式で処理される。尚、管理概要は以下の通り。
[1]設計業務の適切な段階において、当該設計成果における要素に対してレビューするデザインレビュー委員会を計画し実施する。
[2]当該委員会は、対象となる当該設計成果における要素又は全体に関係する全ての部門の代表者、及び必要に応じて他部門の専門家も含める。
[3]設計に対するレビュー結果は確実に記録化し、維持管理する。
(2)設計に対するレビュー項目
 当社における「デザインレビュー」では以下項目も含めてレビューする。
a)設計の結果が要求事項を満たせるかどうか。
b)問題を明確化し、必要な処置が提案できるか。
7.3.5 設計・開発の検証
(1)設計の検証管理概要
 当社では、設計の検証を「設計検証」と称し、「設計検証委員会」という委員会形式で処理する。尚、管理概要は以下の通り。
[1]設計業務の適切な段階において、当該設計成果における全体に対して検証する設計検証委員会を計画し実施する。
[2]当該委員会は、対象となる当該設計成果における要素又は全体に関係する関係者、及び必要に応じて他部門の専門家も含める。
[3]設計に対する検証結果は確実に記録し、維持管理する。
(2)設計に対するレビュー項目
 当社における「設計検証」では以下項目も含めて検証される。
 ◇設計からのアウトプット成果が,設計へのインプット要求事項を確実に満足している。
7.3.6 設計・開発の妥当性確認
(1)設計の妥当性確認管理概要
 当社での設計の妥当性確認に関する管理概要は以下の通り。
[1]当社では、前項の設計検証合格後、実際に設計図書類に従い、製造・提供した「製品」「サービス成果」及びその中間工程においても、設計図書の規定する購買外注及び作業等成果としての「半製品」「途中成果」のそれぞれの内容が、次項(2)の「設計に対する妥当性確認項目」に適合していることを確認することにより、当該設計が技術水準上及び製品製造・サービス提供上、妥当であったか否かを検証する。
[2]従って、当社において、設計成果物に基づき構築した全体モデル/部分モデル/縮小モデルといった試作成果物に対する検証は設定しない。
[3]上記設計妥当性確認は、事前に定めた環境条件下において行う。
[4]設計に対する妥当性確認結果は確実に記録し、維持管理する。
(2)設計に対する妥当性確認項目
 当社における「設計検証」では以下項目も含めて検証される。
◇定義された使用者のニーズ、指定された用途、意図された用途並びに要求事項に適合しているかどうか。
7.3.7 設計・開発の変更管理
(1)設計の変更管理概要
 当社での設計の変更管理の概要は以下の通り。
[1]設計変更を行う場合には、レビュー、検証及び妥当性確認を適宜行う。
[2]設計変更のアウトプット及び成果は、その変更を行う前に必ず検証され承認を得る。
[3]設計変更のレビューにはその変更が製品・サービスを構成する要素及び既に引き渡されている製品・サービスに及ぼす影響の評価も含む。
[4]設計変更に関しては確実に記録化し、維持管理する。








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