日本財団 図書館


5.2 顧客重視
(1)JIS訳では「顧客重視」とされているが、英語原文では“Customer Focus”という表現になっており、「顧客の対象を絞る(焦点を合わせる・集中させる)」という意味になるのが妥当である。
(2)“Customer Satisfaction”(顧客満足)まで範囲に入れた内容であるため、まず始めに当該の顧客がどこまでが範囲であるか設定しておかないと、経営資源の設定や会社運営にまで支障をきたす結果となる。
(3)また、規格において、顧客に関する要求事項を体系化すると以下のようになる。

目的 “Customer Satisfaction”(顧客満足)
方向性 “Customer Focus”(顧客対象を絞る)
実施 <製品・サービス顧客提供実施“前”>
「7.2“Customer Relationship Process”(顧客関連プロセス)」
:「製品関連要求事項決定・見直し」「顧客とのコミュニケーション」←「顧客要求事項の満足」
<製品・サービス顧客提供実施“後”>
「8.2.1“Customer Satisfaction”(顧客満足)」(「8.2監視及び測定」中)
:「顧客要求事項を満足しているかどうかに関して“顧客がどのように受けとめているか”についての情報監視

(4)上記(3)から言及できるのは、規格は、顧客満足度調査をするとかといった部分的な顧客関連のことを手順化するのではなく、顧客満足を目的とした“CRM(Customer Relationship Management)”という、顧客関連の一連の体系をまとめた経営手法にまで言及した、意欲的な内容であることを認識しなければならないということである。








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION