2.14.2 明確化の根拠
1)長い送信パケット用の候補スロットを選択する際は、長い送信(1スロットより長い)のためのスロット割り当て過程を最適化するために、規則が必要である。
2)送信用に使用されるスロットは、選択間隔(SI)内にある候補スロットから選択される。非常に稀であると考えられなければならない周囲状況においては、スロット選択アルゴリズムは、既存の規則に従ってSIの中から候補スロットを見出すことができない可能性がある。この状況は全ての通報に当てはまる。この状態の理由は、次のように考えられる。
・1またはそれ以上の基地局が、移動体用のSIを取り込むことができる通報20に、大きな区画(7スロット以上)を既に割り当てられている。
・「位置が入手できない」と報告している数個の局が、SIを取り込んでいる。
この結果がもたらす必要条件(=根拠):候補スロットが全然無い場合は、ある定義されている動きがなければならない。この状態は、通常の状態の下においては出現しないであろう。追加されているフローチャートが、スロット選択アルゴリズムの全体を、詳しく図解している。
2.14.3 修正の日付: 2001年10月
2.14.4 所見
この明確化は、移動局が影響を受けるという限りにおいて、船舶に搭載される等級A移動体用AIS局についての設計と試験とに、既に、取り込まれている。この明確化に対して今後変更を行う場合は、何れも、将来に遺る問題を作り出さないように配慮すべきである。
2.15 A2;§3.3.2 運用モード
2.15.1 提案する明確化の文言
3種類の運用モードが存在しているべきてある。ディフォルトモードは、自律的とすべきであり、担当機関からの要求に応じて、他のモードと相互に切り替えられることができる。単一回線(Simplex)中継局については自律的モードと指定モードとの2種類のモードのみがあり、ポーリングモードは無いとすべきである。
2.15.2 明確化の根拠
単一回線中継局は、他の局から受信した通報のみを保管し、伝送する。単一回線中継局は、真の通報源と考えられるべきではない。単一回線中継局は自分自身の通報は作成しない。従って照会を受けることはできない。
2.15.3 修正の日付: 2001年10月
2.15.4 所見
なし
2.16 A2;§3.3.2.1 自律的で連続的なモード
2.16.1 提案する明確化の文言
自律的に運用している局は、送信するための自分自身の計画を決定すべきである。当該局は、他局と計画上対立する場合は、自動的に解決すべきである。
2.16.2 明確化の根拠
送信計画は、位置報告についてだけでなく自律的に送信される何れの通報についても、自律的に決定される。
2.16.3 S;修正の日付: 2001年10月
2.16.4 所見
なし
2.17 A2;§3.3.2.2 指定モード
2.17.1 提案する明確化の文言
指定モードで運用している局は、担当機関に所属している基地局によって指定された送信計画を使用すべきである。
2.17.2 明確化の根拠/理由
基地局と中継局との機能性の区別。組み合わされた基地/中継局が通報16を送信している場合は、基地局の機能性により行っているものである。
2.17.3 修正の日付: 2001年10月
2.17.4 所見
なし
2.18 A2;§3.3.4.4 自己編成TDMA-SOTDMA
2.18.1 提案する明確化の文言
SOTDMAアクセス体系は、自律的で連続的なモードもしくは指定モード(表13を参照すること)、において運用している移動局によって使用されるべきである。このアクセス体系の目的は、制御を行なう局からの介入を必要とせずに、対立状況を素早く解決するアクセスアルゴリズムを提供することにある。SOTDMAアクセス体系を使用する通報は、反復できる性質を持っており、当該データ回線の他の利用者へ、連続的に更新されている監視状況を与えるために使用される。
2.18.2 明確化の根拠
2.18.3 修正の日付: 2001年10月
2.18.4 所見
2.19 A2;§3.3.4.4.2 SOTDMAのパラメーター
2.19.1 提案する明確化の文言
以下の各パラメーターは、SOTDMAの計画機能を制御するものである。
記号 |
名称 |
解説 |
最小値 |
最大値 |
NSS |
名目開始スロット |
これは、局が自分自身をデータ回線上で告知するために使用する最初のスロットである。他の反復可能な送信は、一般に、NSSを基準として選択される。
同じ報告率における送信が、二つのチャンネル(「A」及び「B」)を用いて行われる場合は、2番目のチャンネル(「B」)のNSSは、最初のチャンネルのNSSから、NIだけ、オフセットされる。つまり、
NSSB=NSSA+NI |
0 |
2249 |
NS |
名目スロット |
名目スロットは、位置報告を送信するために選ばれている各スロットがその周りを囲んでいる中心部として使用される。フレームの中における最初の送信については、NSSとNSとは等しい値にある。一つのチャンネルのみを使用している時のNSは、次の値にある。
NS=NSS+(n×NI);(0≦n≦Rr)
送信が二つのチャンネル(「A」及び「B」)を用いて行われる場合は、各々のチャンネルにおける各名目スロット間のスロット間隔は、2倍にされ、また、NIだけオフセットされる。つまり、
NSA=NSSA+NI+(n×2×NI):
但し、(0≦n≦0.5×Rr)
NSB=NSSA+NI+(n×2×NI):
但し、(0≦n≦0.5×Rr) |
0 |
2249 |
NI |
名目増分 |
名目増分は、スロット数で与えられ、次の等式を用いて導き出される。
NI=2250/Rr |
75
(4) |
1125 |
Rr |
報告率 |
これは、1分当たりの望ましい位置報告の数である。 |
2
(1)(2) |
30
(3) |
SI |
選択間隔 |
選択間隔は、位置報告用の候補になり得る各スロットを集めたものである。SIは、次の等式を用いて導き出される。
SI={NS-(0.1×NI)からNSまで+(0.1×NI)} |
0.2×NI |
0.2×NI |
NTS |
名目送信スロット |
このスロットは、選択間隔の中にあり、この間隔内で現在送信に使用されているものである。 |
0 |
2249 |
TMO_MIN |
最小タイムアウト |
SOTDMAの最小のスロット・タイムアウト |
3 |
3 |
TMO_MAX |
最大タイムアウト |
SOTDMAの最大のスロット・タイムアウト |
7 |
7 |
脚注
(1) 局が、一分間に2報告未満という報告率を用いている場合は、ITDMA割り当てが使用されるべきである。
(2) また、表13で示してあるようにSOTDMAを使用して指定モードで運用している場合。
(3) 表13で示してあるようにSOTDMAを使用して指定モードで運用している場合は、一分間に60報告。
(4) 指定報告率を用いて指定モードで運用している場合は、37.5。指定スロット増分とSOTDMA CommStateとを用い指定モードで運用している場合は45。
2.19.2 明確化の根拠
A2;§3.3.6の明確化に伴う変更
2.19.3 修正の日付: 2001年10月
2.19.4 所見
この明確化は、移動局が影響を受けるという限りにおいて、船舶に搭載される等級A移動体用AIS局についての設計と試験とに、既に、取り込まれている。この明確化に対して今後変更を行う場合は、何れも、将来に遺る問題を作り出さないように配慮すべきである。
2-20 A2;§3-3.5.1.1 VHFデータ回線(VDL)の監視
2.20.1 提案する明確化の文言
電源を入れた時点で、局は、TDMAチャンネルを1分間の間監視して、チャンネルの活動状況・他の参加メンバーの識別符号・他のユーザーの現行スロット指定状況及び報告位置・基地局が存在する可能性、を判断すべきてある。この間に、システムで運用しているメンバー全員の動的なディレクトリが確立されるべきであり、また、TDMAチャンネルの活動状況を表わしているフレームマップが作成されるべきである。
2.20.2 明確化の根拠
「フレーム」と「分」との観念の使用に関して、これまで、矛盾、従ってあいまいなさが存在して来ている。今回の明確化においては、このあいまいさを排除している。「分」は時間間隔であり、いつでも始まることができる。「フレーム」は、時間上のある固定点、つまり任意のUTC分の始点、から開始すること、と定義される。特に、局の初期化段階は、時間上の任意の点において開始することが可能であり、この開始時点はフレームの中間になることができるが、初期化は常に一分の間隔を取ることになる。
2.20.3 修正の日付: 2001年10月
2.20.4 所見
なし
2.21 A2;§3.3.5.1.2 1分後のネットワークヘの加入
2.21.1 提案する明確化の文言
1分の間隔が経過した後、局は、ネットクークに加入し、以下に述べてあるように、自分自身の計画に従って送信を開始すべきである。
2.21.2 明確化の根拠
A2;§3.3.5.1.1 「VHFデータ回線(VDL)の監視」についての明確化の根拠を参照すること。
2.21.3 修正の日付: 2001年10月
2.21.4 所見
なし
2.22
A2;§3.3.5.2 ネットワークヘの加入段階
2.22.1 提案する明確化の文言
ネットワークヘの介入段階の間は、局は、その最初の送信スロットを選択して、自分自身を他の参加局が認識できるようにすべきである。最初の送信は、常に、特別の位置報告(通報3)となっているべきである(図11を参照のこと)。
2.22.2 明確化の根拠
編纂上の理由; M.1371-1内で参照先に矛盾がある。
2.22.3 修正の日付: 2001年10月
2.22.4 所見
なし
図11
2-23
A2;§3.3.5.3 最初のフレーム段階
2.23.1 提案する明確化の文言
一分間の間隔にある最初のフレーム段階の間に、局は、その送信スロットを連続的に割り当て、ITDMAを用いて特別の位置報告(通報3)を送信すべきである(図12を参照のこと)。
2.23.2 明確化の根拠
1. 編纂上の理由; M.1371-1内で参照先に矛盾がある。
図12
2. A2;§3.3.5.1.1 「VHFデータ回線(VDL)の監視」についての明確化の根拠を参照すること。
2.23.3 修正の日付: 2001年10月
2.23.4 所見
なし