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資料3 船舶通航業務運用者 案
VTS16/6/9
職場研修模範作業帳
(OJT Model Task Book)
V-103/OJT TB
2001年9月7日
 
前書

 国際航路標識協会は、1955年以来船舶通航業務に携わって来ており、人的資源が世界中の効率的な船舶通航業務の整備にとって重要であることを認識している。

 IALAは、1995年に修正された1978年の船員の研修及び資格認定並びに当直業務についての基準に関する国際条約(STCW条約)、及び、船員の研修及び資格認定並びに当直業務規約(STCW規約)、並びに、STCW95決議10を考慮して、VTS要員の研修及び資格認定の基準に関する勧告V-103を採択した。

IALAがVTS要員用のために編成した模範研修コースは、次の通りである。

模範研修コースV-103/1-VTS運用者
模範研修コースV-103/2-VTS監督者
模範研修コースV-103/3-職場研修
模範研修コースV-103/4-職場研修指導者

 この模範作業帳は、船舶通航業務の整備を担当しているVTS機関に、VTS運用者研修コースを終了した後、最初のVTSセンターで勤務しているVTS運用者の職場研修に関する、具体的な手引きを提供することが意図されているものである。この研修を実施する際の支援は、下記の住所にある国際航路標識協会を介して得ることができる。

 
The Secretary Generl, IALA/AISM, 20ter rue Schnapper, 78100 Saint Germain en Laye, France
Tel:(+)1 33 34 51 70 01
Fax:(+)1 33 3451 82 05
e-mail:iala-aism@wanadoo.fr
船舶通航業務運用者 職場研修(OJT)模範作業帳

はじめに

 将来VTS運用者になる者は、認定されている研修コースを終了した後、運用中であるVTSセンターの運用に加担しつつ、正式の体系化されている期間に職場研修を受けて、V-103/3及びV-103/4に定めてある要件を満足することが要求される。模範研修コースは、この職場研修の目標について要点を述べているが、その編成・内容・開設実施などについては、全面的に、当該候補運用者が勤務を命ぜられているVTSセンターの特性に委ねている。研修作業帳は、特定のVTSの特性を反映するように考案されており、この研修における欠かせない特徴であり、候補者が必要とする体系化された手引きを与えるものである。
 
模範作業帳の目的

 この模範作業帳(Model Task Book)の目的は、研修を受けたVTS運用者への新しい候補者の職場研修を支援するために作製される必要がある、作業帳の内容についての手引きを与えることにより、職場研修の開設実施について、VTSセンターとその指導者達とを支援することにある。作業帳は、IALA勧告V-103に定めてある要条件を満足することを目標とし、既存の研修教材類を増強し補足するように考案されるべきである。

 模範作業帳は、形式と内容とについての「一般的な」手引きになっており、研修のために用いられることはできないし、事実用いられるべきではない。これは、候補研修生達が職場研修を受けることになる特定のVTSセンターの必要性に沿うように工夫され記入されるものである、職場研修作業帳を作製するための雛がたとしてだけ使用されること、を意図されているものである。

 作業帳は、以下に示してある5項目の広義の目標を持っているべきである。

・ 候補研修生が熟達振りを身に付け体現する必要がある知識と技能とについて、細部に亘る授業要目を示していること。

・ 候補研修生を、自分自身の調査研究・練習・勉強などにより、所要の技能と知識とを習得するように奨励すること。

・ 技能の進展状況を記録すること。

・ 進捗状況を明確に評価すること。

・ 資格認定委員会による審査の合格へと至らせている正式な試験結果の記録になること。
 
特定のVTSセンター用職場研修作業帳の作製

 あるVTSセンターについての職場研修作業帳の作製は、関係しているVTS担当部局により、V-103にある手引きと、候補生がV-103/1に定めてある能力のレベルを満足するために最近終了した研修とを考慮した上でのみ、実行されることができる。また、以下の段階を踏むことが推薦される。

・ 模範作業帳を編成している各々の部を、特定のVTSセンターへ適用できる実際のデータ・手順・条件・計画・ 指導事項などで置き換える。その各々を、候補研修生が、自主的に、監督の下に、または、役割を持って行なう行動もしくは模擬実習(例えば、大規模な油の流出)の一部としての、何れかにより、実施すべきである作業として表わす。

・ 授業要目が、資格を認められたVTS運用者に対して当該VTSセンターが求めている要件を満足することになるかどうか、を判断する。

・ 作業帳にある各々の項目に対して、可能な場合は、個人の技能及び知識の実際の進展に優先順位を付して、次の何れかにより、各々の作業が実施されるようにする手段を割り当てる。

 ○実際に行われる作業の目撃

 ○個人的な技能の修得

 ○監督の下における実習

 ○作業についての勉強及び記入

・ 各々の作業項目に対して、正式な試験を作成する。形式及び様式は、可能な限り、実際的な性質のものとすべきである。

・ 作業帳へ正式に結果を記録する措置をして、定期的な評価と試験とについての必要性を判断する。同様に、資格認定委員会の開催について手はずを整える。この手引きの別紙Aにある第14部により詳しい情報がある。
 
作業帳の様式

 作業帳に含ませることが提案される項目は、別紙Aの第1部から14部までに示してある。

 作業帳の各頁の編成方法についての具体的な例は、別紙Bにある。








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