日本財団 図書館


第3節-コースの概要

 コースは、研修生によって実施されるべきである一連の実際的な割り当て任務と作業とを含んでいて、職場研修指導者(OJTI)としての能力と自信とを確実に持たせるようにすべきである。割り当て任務と作業とは、一対一の研修技法と指導技能とについて知識の伝達を図るように設定されており、以下の課題、但し必ずしもこれに限定されない、を含んでいるべきである。

課題 推薦される能力レベル
1.   OJTIの期待

1.1  OJTI及びVTS機関の目標
1.1.1 個々の研修生の目標
    (資格認定上/経歴上/個人的)
1.1.2 VTS担当部局/担当機関の目標

1.2 職場研修における指導へのアプローチ
1.2.1 研修生が多様である点の容認
1.2.2 仕事中心で交替勤務という作業条件内における学習環境の整備
レベル3
2時間
2. 成人学習の考え方

2.1 成人学習理論の概要
2.1.1 記憶力と維持力
2.1.2 学習事項の理解力
2.1.3 学習の動機
2.1.4 学習形態

2.2 VTS職場の学習モデル
2.2.1 必要性についての評価の実施
2.2.2 VTS研修生のための学習目標の設定
レベル3
4時間
3. OJTIのための指導技法

3.1 研修指導者のための個人及び少人数グループの監督技能

3.2 研修指導者のための個人及び少人数グループの指導技能(一対一、一対三)

3.3 個々の成人学習者に適用する経験に基づく学習理論

3.4 成人のための学習事項の企画
3.4.1 学習活動と実習との準備
3.4.2 VTS職場研修環境における学習事項の実践
3.4.3 特定のVTSセンター及び個々のVTS研修生に対する学習事項の適用

3.5 OJTIの管理権内における代わりの学習の機会
3.5.1 VTSセンターにおける自己向け学習
3.5.2 VTS研修及び評価のための新たに出現した研修構成資源である「コンピューターによる研修」の実施
レベル3
4時間
4. 通信

4.1 指導者と研修生との間の効果的な人間間通信
4.1.1 人間間通信への障害物
4.1.2 質問行為の技法
4.1.3 傾聴行為の技法
4.1.4 個人または少人数グループを研修する際の促成支援技法

4.2 研修生への還元

4.3 非口頭通信

4.4 異文化間通信

4.5 対立的な及び困難な状況にある指導者/研修生間関係の取扱い
レベル3
4時間
5. 査定

5.1 査定規準の策定
5.1.1 査定の質
5.1.2 能力を示す行動を査定するための対策

5.2 評価行為
5.2.1 行動が表わしていること(知識・技能・態度)
5.2.2 結果の研修生への通知

5.3 評価中の問題解決
5.3.1 研修生の成功達成を助ける問題解決のモデル
5.3.2 研修生の、規準を満足することにおける、行動上の問題及び無能感への対応
レベル3
4時間
6. 実際の適用

6.1 視覚補助教材を用いて伝達する項目の準備

6.2 伝達する際の貴族的な評価と査定

6.3 行動の修正
レベル3
1時間(候補者一人当たり)
7. VTS職場研修指導者への過程

7.1 割り当てられた研修生についての全面的な職場研修資格認定過程の計画作成

7.2 当該センター内における個々の研修生の活動状況の管理及び統合

7.3 職場研修作業帳の作成及び維持

7.4 V103/1及びV103/2にある資格認定のためのVTS経歴記録過程の終了
レベル3
2時間
8. VTS要員

8.1 VTSの運用に関する専門的な研修

8.2 進歩及び継続的な学習

8.3 VTS運用者及びVTS監督者のための資格認定上の要件
レベル3
1時間
第4節-指導者のための手引き

はじめに

 本コースは、VTS要員に、職場研修の環境においてVTS運用者及び/もしくは監督者に対して研修を実施できるようにさせる保証記事を、資格認定記録簿へ記載してもらえることができるように、企画されるべきである。
 
カリキュラム

 コース概要は特定の順番で設定されているわけではないので、職場研修指導者は、コース概要が書かれている順列に従うようには強制されないが、研修生にとって最も効果的であると考えられる方法において、概要に従うべきである。コースが成功するかどうかは、大部分、関係している講義方針へ沿うようにするための、個々の課題についての細部に亘る調整、に左右されることになろう。経験のある指導者が、コース調整者として活動し、当該コースの計画を行い、その達成状況を監督すること、が重要である。

 講義方針は、慎重に検討され、列挙されている課題の全てが取り込まれており、不必要な反復が避けられていて、何れの段階においても必須である前以て必要な知識が既に取り込まれているという点が、確保されているべきである。授業要目に含まれていない項目、または、目標で示されている深遠度を越えている扱い方は、担当機関が定める別の要件を満足する必要がある場合を除いて、持ち込まれていないという点を確認することに、注意が払われるべきである。

 コース調整者は、当該コースの進行状況を観察すべきである。研修生の進捗状況及び表面に現れてきたあらゆる問題に関して、関係指導者との定期的な検討が行われるべきである。講義方針の修正は、研修生が要求されている能力レベルを身に付けつつあるという点を確保するために必要である場合は、実施されるべきである。追加授業は、状況に適っている場合に、補習研修を必要としている研修生が能力を達成できるように、措置されるべきである。
第5節-査定または評価

 観察が行えるようにするために、研修生についての定期的な評価が実施されなければならない。多くの場合、この評価は、研修生の当該コースにおける作業及び発表に対して与えられる点数に基づいて行ない、その適切な記録が維持されるようにすることができる。この評価は、資格認定のために必要とされるどのような試験とも、別に存在するものである。

 評価は、次の5段階を使用し、研修生が習得した学習レベルを表わすようにすべきである。平均レベルで3または4が満足されるレベルと考えられるべきである、とすることが勧められる。
評価レベル
レベル 区分 解説
レベル1 受容 研修生の、学習活動に参加したいという意思
レベル2 反応 研修生の、学習活動への積極的な参加
レベル3 重要性 研修生が、特定の目標・現象または動きに付与する価値
レベル4 組織か 各種の重みを持ち寄せ、それらの間の対立を解決して、内部的に一貫している重みの体系の構築を開始する、という研修生の能力
レベル5 重みの複雑性 相反している・一致している・予測できるなどの動きであるために、研修生が独特の「生活様式」を確立してしまうように、十分に長い期間について、達成されている重みの体系








日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION