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2.(1) 機関部作業中の姿勢
機関室内作業に多い無理な姿勢を軽減しよう
 狭い機関室内での整備・修理作業は、どうしても無理な姿勢が多くなります。内航船の機関部で、代表的な作業の一つである「燃料油清浄機の分解整備作業」中の作業姿勢について、姿勢要素別にその延時間の比率を示したのが次のグラフです。
作業姿勢(注)作業動作は省略
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作業従事者:機関長及び1等機関士
解析時間:延2時間49分
調査船:貨物船(550G/T)
 長町三生氏(現呉工業高等専門学校長)などの研究による作業姿勢の評価方法では、無理な姿勢とされている前屈90度、前屈60度、「しゃがみ」の三つの姿勢の合計時間が53.5%となっており、「しゃがみ込んでの作業」の持続を適宜、中断するなどして、無理な姿勢の負担を軽減する必要があります。
2(2) 機関部作業中の姿勢
せまい場所では、足場の整頓十分な証明と作業台の利用を
 機関室の中での作業は、機器や船体の部材に取り囲まれた狭い場所で、機器の部品を相手の作業がほとんどです。従って、無理な姿勢の軽減とともに、足場の整頓や十分な照明等の安全確保が必要です。また、アンケート調査では、機関長の42%、1等機関士の52%が安全帽などの安全保護具を着用せずヒヤリ・ハットしたとの調査結果が出ています。あなた自身を守るために、必ず安全保護具を着用しましょう。
[作業台の利用]
 機関室内作業の安全対策として、作業台の利用があります。
 作業台のスペースを確保しにくい面はありますが、次のようなメリットがあります。
1.無理な作業姿勢が軽減される。
2.採光性が改善される。
3.床に工具等を散在させずにすむ。
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