・“誰でも使用できるトイレ”を作った。100%対応できたとは思っていない。学校以外の公園のトイレ等についても、“誰でも使用できるトイレ”として、名称に身体障害者用トイレとは一切使っていない。設計を始めているユニバーサルデザインの選択肢を、どこまでとればいいか懸念している。
・初期の2m角のトイレは非常に冷たい雰囲気。どうして上までタイルをはりあげているのか。隔離室のような感じ。握りバーがたくさんあるのでいかめしい。床のターンテーブル方式はいくらでもできるはず。簡易リフトもつける。今のブースの1.5倍くらいの広さで解決するのではないか。
・杖をついている人が病院の中に多い。その対応がトイレにしていない(特に男性)。トイレットペーパーホルダーが1連しかついていない。男性のおこぼしが多い。メーカーの方と研究したい。
・東京都の福祉のまちづくり整備基準で、“誰でもトイレ”が公的なところで新しく盛り込まれている。これまでの身障者トイレがこれから変わっていくのではないか。東陶機器(株)では、障害者の方の意識調査や利用実態調査を行った。非常にたくさん使われている。いろいろなニーズがある。商品に反映していきたい。企業として、ビジネスチャンスにもなる。
・質か量か。量の充足のほうが重要。既存のインフラの活用(改修)。バリアフリーが儲かるというストーリーができないか。生活に密着したところ、例えば、交番。
・ソフト・ハード面の検討を重ねながら、最終的には普及策を考えていかざるをえない。最初から、どこに焦点をあてて、どういうところを普及させるのかを想定しながら、ソフト・ハード面に取り組んだほうがやりやすいのではないか。
・傷害は百人百様で、設計者に与えられるトイレのスペースは狭い。悩みがたくさんある中で、何を優先すればよいか、みんなで話し合って合意形成でやるしかないのではないか。失敗するかもしれないがやってみる。プロセスを大事にしながらまたやってみる。100点満点のトイレを最初から作らないと決めたい。
・公益福祉部でトイレをテーマに本年から3年の計画で支援することになっている。日本財団として、有効な社会に役立つ支援の事業ができることを期待している。
・“障害者用トイレを充実してほしい”という声が多かった。それを受けて来年の3月までにガイドラインを作ろうとされている。その中に、オストメイト対応も考えていきたい。
・失敗を恐れずにやってみよう。同じ失敗をすることはやめよう。失敗はたくさんやってきたわけで、どこが失敗したのか、何が悪いのかをちゃんと検証して、次ぎに生かしていく失敗をすることが大事。
自由に発言
・全国24か所ある競艇の資金の一部を公益事業に役立てるための新事業。支援するための重点項目を挙げてやっている。世の中にさきがけて自ら調査研究してやっていく。以前と資金量が違ってきている。今までは箱物を中心にやってきた面もあるが、売上低下の中でいかに有効に広くやるかを検討した結果、トイレは人間にとって切っても切れないものとして取り上げた。日本財団の事業として、可能性の予感がある。規模、やり方はこれから。