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今まではれ物に触れるようにしたためか、子どもに「無視しないで!」と言われることがあった。都合の悪いことを言うとすぐ不機嫌になるのを親は恐れていたようだ。

4月24日−S先生(前述の女教師)が都合が悪く来られないとわかると、私に八つ当たりしたり、音楽を大きくかけたりし、本当にいやになる。

 

4月25日(金)−14:00 リブ教育研究所で本人、母親と面接。

1. 電車に対する不安イメージが増大。

2. 母親の過干渉な養育態度が分離不安を引き起こしている可能性がある。

→このことを考えて下宿のほうが良いのでは?

3. TAで腸の働きが活発になる。四肢重感→四肢温感。

4.行動契約書を作成する。

・テレビ2時間30分(週17.5時間)。

・自律訓練のテープを聞き、感想を書く。

・生活の記録を詳しく書く。

・読書、好きな本を1冊読む。

 

《母の日記から》

4月26日−下宿のことで口論となる。本人は下宿をして、早く体を治したいと考えている。親としては、つらいこと(電車、バスなど)から逃げているように感じる。逃げないで挑戦して欲しい。そして、兄と比べ「僕は無理を言っていない」と言いながら、次々と要求を出してくる子どもにうんざりする。今は私自身が余裕がなく、焦り過ぎているような気がする。子どもとの距離をもう少し取るべきですね。

4月28日−横着さが身に付いているのだろうか。手伝いを頼むが、一向に手伝わない。夜、私が下宿に電話の敷設を承諾しないので不満を持つ。

4月30日−下宿をすることで欲しい物を、しつこく要求してくる。何日も電話のことで私にしつこく言ってくる。なぜ私だけに言うのだろうか?今まで私が子どもの要求を聞き入れ過ぎていたのかもしれない。

5月1日−探していた物がないと、短気になり、大声を出し物に当たる。それを見て父親が怒り、口論となる。そして次は大きな音で音楽をかける。この数カ月何度となくこんなことが繰り返されている。子どももこの1年で本当に気ままになり、短気になっていく。私が早く良くなって欲しいと、機嫌を取り過ぎ、甘やかしたことが原因なのだろうか?不安や心配はあるが、下宿をすることが自立の早道かもしれない。

 

5月2日(金)−14:00 リブ教育研究所で本人、母親と面接。

1. 今は病気であることを理由に、自分の要望をすべて実現させようとしている。

→母子分離をはかり、本人が精神的に自立するためにも下宿をすすめる。

2. 家庭内葛藤の対策のため、親子の口論をテープレコーダーに取ることを指示。

後にセラピストが公平な判断を下し、本人を指導することで、人格的成長の促進を企てる。

 

 

 

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