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中3の頃から、兄の影響でパソコンゲームに夢中になる。しかし、この頃から受験に対する焦りも加わり胃腸の調子が悪くなり、定期テストや実力テストの日に早退、欠席が目立ち始める。何事に対してもやる気なく、意欲、積極性がなくなり、反抗的な態度をとるなど、精神的にも不安定な日が多くなる。その間、母親は教育センターに相談に行き、アドバイスを受け実践する。それが効を奏したのか、3学期頃から落ち着きを見せ始め、欠席も減り、第一希望の高校へ無事合格することができた。このことで本人も自信を持ち、将来にいろいろの夢を描いて入学したようだった。

入学して間もなく「学校で大便をするのがいやだ」と言い始め、毎朝何度もトイレに行くことを繰り返す。この頃から主訴が表面化し、体調不良を訴えるようになる。病院で検査を受けるが、生理的な異常はないとのこと。しかし授業中に何度もトイレに行きたくなり、早退、欠席を重ねる。そして、7月13日以降学校へ行けなくなった。

 

7月13日以降の内容

〔I〕カウンセリングと診断《7月〜8月》

9月からの復学に向けて、本人がカウンセリングを希望。

7月13日−O総合病院で女医の臨床カウンセリングを受ける。

7月21日−県立教育センターでH先生の臨床カウンセリングを受ける。

H先生とはその後も交流が続いている。

8月17日−県立精神保健福祉センターでK先生の臨床カウンセリングを受ける。

ここでN医師を紹介される。

8月25日−H大学附属病院神経精神科N医師の診療を受ける。

「思春期過敏性大腸炎」と診断される。

〔II〕治療と生活状態の改善《8月末〜翌4月》

この間、N医師の外来通院治療を受ける。

〔治療内容〕

・カウンセリング

・投薬(消化器機能異常治療薬TA127、精神安定剤UPJOHN72、WP×0.5)

・体の鍛錬−腹筋、腕立て伏せ、ランニング、腹式呼吸

・生活状態の改善−勉強時間、睡眠時間などのチェック

〔外来した日程〕 

9月1日、9月8日、9月22日、10月6日、10月13日、10月20日、11月10日、11月17日、12月1日、12月8日、12月22日

以降、12月29日から4月上旬まで本人はめったに通院せず、母親との面接が中心となる。

10月頃−学校のこと、進路のことなど先行きが見えず焦りだし、復学よりも「大検を受けたい」という希望を出す。→親子で話し合い、大検の資料を取り寄せる。

N医師より「じっくり子どもの話を聞くことが大切だ」と指示を受ける。

大検という希望が持て、心に張りが出てきて体調も一時よくなる。

11月中旬−学校の欠席日数が3分の1以上になり、進退問題を考える。

N医師より「学校へは無理して行かせず、本人の意思に任せること」と指示を受ける。

 

 

 

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