最初この学舎へ来た時は後悔もしていましたが、今ではここに来ることができて良かったと思っています。楽しい思い出もたくさんできました。だから校長先生をはじめ、諸先生方にはとても感謝しています。
今後僕の人生にはつらいこと、いやなこともたくさんあると思いますが、このあすなろ学舎で学んだことを忘れなければ、僕の人生は必ずしも悪いものではないように思います。
今までお世話して下さって、本当にありがとうございました。このあすなろ学舎がいつまでも栄えますようお祈りします。どうかお体にお気をつけてお過ごし下さい。
おわり
施設の概要
「あすなろ学舎」は、不登校生徒のための全寮制の民間施設である。「学校でない学校」「心のやすらぎの場所」として平成元年4月に岡山県御津郡加茂川町の旧高富小学校の廃校舎を借り受け開校した。
巣立っていった生徒数は、12年間で195名。復学、進学、就職などそれぞれ自分の道を見つけ歩んでいる。平成11年11月には特定非営利活動法人の認可を受け、平成13年3月には高校生3名、中学生7名が巣立っていった。
適応指導の方針
「あすなろ学舎」は、師弟同行の精神のもと、寮生活、小集団の中で生活体験を積み、「生きる力」を育てること、またいろいろな体験を実践し、生徒の「やる気」を引き出し、学校復帰することを目的としている。
そのために、まず心身の健康の回復を図る。それは大自然の中で、のびのびとした、それでいて規則正しいリズムある生活体験を、寮生活を通して行う。
教科学習はゆったりとした時間帯で、専門の教師が個人の程度に合わせた学習指導を行い、学習意欲を徐々に回復できるようにし、その中で、高校進学を目指す生徒には保護者、原籍校と連携を図りながら、進路指導を行う。
体づくり、協調性の育成のために、毎日午後を運動の時間とし、集団で取り組める球技を中心にした運動を行う。
不登校になると、いろいろな人と接したり、外へ出かけ社会の様子を見る機会が少なくなる。そこで、さまざまな場所へ出かけていく校外学習や、物の製作、キャンプなどの体験学習を実施し、その活動の中で自信を回復したり、将来の役に立つ経験を積むことができるよう支援する。