日本財団 図書館


行ってみて、なかなか感じが良かった。通っているうちにどんどん友達も増え、楽しくなった。学校ではなかなか体験できないこともできるので、今になって「あすなろ学舎」に来て本当に良かったと思っている。

勉強のほうも思うように進んでいないが、自分なりに結構やってきたつもりだ。8月に家庭教師についてもらったので、今がんばっている途中だ。僕は通いなので、行き帰りはお母さん、お父さんの世話になっている。「あすなろ学舎」と家庭教師に払う月謝は何万という金になる。普通学校に行っている時以上にかかる。来年は高校に行けるか、行けないかはこれからの努力次第。なるべく行けるようにして、あまり親に迷惑をかけないようにしたい。 おわり

 

●R.Kさんの場合

不登校期間 小学4年〜6年/中学1年7月〜2年5月 10歳男子

 

《家族構成》

148-1.gif

 

当事者について

附属小学校4年、5年、6年不登校、附属中1年7月より2年5月まで不登校。

5月26日あすなろ学舎体験入学。

 

自己主張文 R.K

僕はいやなことがあるとすぐ「自分はなんのために生まれて、なんのために生きているのか」と、厭世的なことを考えます。

事実、僕がこの世界に生きているのは意味のないことで、僕の存在は不必要なものと思われます。なぜなら僕はだれかに必要とされているわけでもなく、社会に貢献しているわけでもないのだから、僕がいなくてもだれも困らないし、社会にも変化がないからです。

僕が生まれたのにも、深い意味や意図はないと思います。うちの親が、子どもが欲しくて僕を生んだのでしょう。

だとすると僕はなんの意味もなく生まれ、なんの意味もなく生きていることになります。そう考えると、僕は何をよりどころにしていいのか、何を目標に生きればいいのかわからなくなります。大いに困りました。

だだ最近わかったのは、よりどころや、目標を探すことこそ人生の本義であり、それを探すために生まれて、そのために生きているのではないか、そうすることでだれかに必要とされたり、社会に貢献できる存在になるのではないかということです。当たり前のことですが、それが最近やっとわかりました。

「生きる」という概念に理由をつけるのは、まちがいなのかもしれませんが、僕は弱い人間なので、物事に「答え」や「確信」がないと前へ進めません。人生に疑問を抱くのも、すべては僕の弱さからだと思います。 おわり

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION